SSブログ

『生物多様性をめぐる国際関係』出版 [生物多様性]

 本ブログのメインテーマの一つでもある「生物多様性をめぐる国際関係」が出版された。私も、共著者として参画している。
 『生物多様性をめぐる国際関係』毛利勝彦編著、大学教育出版 2011年5月31日発行、2600円(+税)

 s-書籍01215.jpgこの出版は、国際基督教大学(ICU)社会科学研究所が「国際生物多様性年シリーズ公開講演会」として2010年に実施した講演をベースにして取りまとめたものだ。本書編著者の毛利勝彦教授の講義は、NHKの日本版白熱教室にも取り上げられるほどだ。聴衆でもある学生も熱心に質問をし、惰性に流されがちな普段の授業に比して久しぶりに緊張感のある講義となった。後日送られてきた学生のコメントペーパーにも、参考となることが多く記載されていて、私としてもむしろ勉強になった。

 私は、「生物多様性と地域開発」をテーマに与えられ、昨年10月に講演をした。大学では「地域開発論」の講義もしているが、生物多様性と国際関係をキーワードにして「自然保護地域をめぐる国際関係」とでもいうような内容とすることとした。生物多様性保全のホットスポットでもある熱帯地域など途上国では、保全と開発をめぐる相克が続いてきた。名古屋COP10で採択された「愛知ターゲット(愛知目標)」では、保護地域の面積割合を陸上では17%以上とすることなどが合意されたが、まとまるまでにはいわゆる南北の対立があった。その対立の原因、理由および保護地域と地域社会の関わりなどから、貧困解消を含む地域開発と生物多様性保全との関係について、保護地域を舞台に語ってみた。内容は、「愛知ターゲット 保護地域でなぜ対立するのか -COP10の背景と課題(4)」をはじめ、本ブログでもたびたび取り上げてきたことだ。

 今回の出版物では、私のほかにも幅広い分野の方々が、「生物多様性をめぐる国際関係」について執筆されている。私の執筆した『第9章 生物多様性と地域開発 -愛知ターゲットと保護地域ガバナンス-』も、 前述のとおり断片的には本ブログでも取り上げているが、さらにアフリカやインドネシアでの保護地域と地域社会との関係の変遷などの事例を多く取り上げた。本書でまとまった、体系的な内容をぜひご覧いただきたい。

 ところで、なぜ私がICUの講演会に登場することになったのか。 もちろん、主催者である毛利教授からのお声掛けがあってのことだが、そのきっかけはどうやらこのブログとのことだ。本ブログをご覧になり、私の研究内容や生物多様性と国際開発援助などの論文・著作などに関心を持っていただき、講演依頼となったらしい。このブログも、まんざら捨てたものでもない。

 (写真) 『生物多様性をめぐる国際関係』

 (関連ブログ記事) 
 本ブログのマイカテゴリー 「生物多様性」や「保護地域 -国立公園・世界遺産」などすべて!!の記事


nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:学問

nice! 1

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント

トラックバック 0