パワースポット 来宮神社の大クス [巨樹・巨木]
念願の来宮神社の大クス(大楠)を見て来た。何度も神社の近くまでは車で行ったことはあったが、大クスまで行ったことはなかった。
静岡での用務が早く終ったので、急に思いたった。今年2回目のインドネシア行きの直前、3月始めだった。熱海の近くということは知っていたが、最寄り駅などはスマホのアプリで調べた。便利になったものだ。最寄り駅はJR伊東線の来宮駅だが、東海道線の熱海駅からも徒歩15分くらいというので、熱海駅で途中下車した。
神社までの山の斜面に沿った道からは、温泉街の先に春の陽光にきらめく海が臨めた。その温泉街がさびれたと言われて久しい。身売りされた旅館やリゾートマンションも多いと聞く。なるほど、解体工事中のホテルも見える。
伊東線のガードをくぐると、すぐに神社の入り口の朱塗りの鳥居が目に飛び込んでくる。その右手にも大クスがあるが、目当ての大クスはもっと奥のようだ。
本殿に参拝して、いよいよ裏手の大クスに到達した。神社作成の故事来歴書によると、延喜式神社の「来宮」(きのみや)神社は、かつては「木宮」と表記されたという。その社名の由来ともなった、ご神木の大クスは、樹齢二千年といわれ、1935(昭和8)年には国指定天然記念物にもなっている。1992(平成4)年の環境庁(当時)の全国巨樹巨木林調査によると、全国で鹿児島県の蒲生の大クスに次いで2位、本州で最大の幹周(約24m)という。さすがに、その節くれだった幹の巨大さに圧倒される。
なんでも、今から120年も前のこと、熱海村の漁業権にまつわる事件の訴訟費用をねん出するために伐採しようとしたところ、白髪の老人が現れて伐採を阻み、大ノコギリも真っ二つに折れてしまったとか。
現在では、大クスの周りを一周すると寿命が一年延びるといわれ、老若男女で賑わっている。訪れたのが春休み中だったこともあってか、特に若い人の姿が目に付いた。最近は、パワースポットとかいうらしく、それもあって若者が押し掛けているらしい。春休みのせいだけではなかった。
ここでも、皆さん、巨樹の幹に手を触れて、その生命力にあやかりたいと祈っていた。洋の東西を問わず、パワーを持つ物には触れてみたくなるようだ。仏像でも、ヨーロッパの大理石像でも、多くの人に触れられて、そこだけ光ってツルツルになっていることがよくある。
そういえば、かつて樹医(現在の樹木医の名称がまだない頃)として全国を駆け回って銘木の治療をした山野忠彦さんと生前に交流したことがある。山野さんは、治療の際には必ず木の肌に手を当てて、木の声を聞くという。そして、巨樹から生命力をもらい、90歳を過ぎた当時、元気にしているとお話しされていた。その山野さんも、1998(平成10)年、98歳で生涯を全うされた。
ところで、巨樹参拝の前に熱海駅前の食堂で食べたのが、これ。マグロ、アジ、キンメダイの刺身の三色丼定食(写真上)。これがまた、美味しくて安い。ついでに、たまたま本日入荷のメニューにあったマンボウの刺身も注文してみた。白身のやわらかい肉で、キモも添えられていた(写真下)。生まれて初めての経験だ。さすがに人気の店で、ネットでも紹介されているだけあって、ここでも若者たちの長い列が続いていた。
かくして、念願の巨樹探訪とグルメの旅は無事終わった。新緑の今頃は、ますます生命力にあふれていることだろう。
(ブログ内関連記事)
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「四半世紀を迎えた巨木フォーラム」
「巨木フォーラム in つるぎ町 -巨樹王国を支える人々の熱き想い」
「日本一の巨樹の町で全国巨樹・巨木林の会会長に就任」
その他、巨樹関係記事多数(マイカテゴリー「巨樹・巨木」参照)
おはようございます^^
意外と国内には行っていないところが沢山(--ゞ
ここも知りませんでした。来宮には行ったことがあるのですけれどね~
by mimimomo (2013-04-27 06:56)
mimimomoさん、そうですね。
意外と近場の方が、行っていないところが多かったりするみたいですね。
by staka (2013-04-27 10:58)
ご訪問&nice頂き有難うございます。私も木のパワー頂きたいです。
by sarusan (2013-04-27 19:02)
いえいえ、sarusanさんは畑仕事で十分自然のパワーを満喫しておられるのでは。
by staka (2013-04-28 17:24)