のんびりベトナムコーヒーとオートバイ [ちょっとこだわる:民俗・文化・紀行・時事など]
JICA(国際協力機構)の調査団員として、5月にベトナムを訪問してきた。インドネシアには年に数回も行っているが、実は他の東南アジア諸国にはマレーシアとシンガポールに行っただけで、タイもカンボディアもベトナムも、行ったことはない。初めてのベトナムだ。連日ハノイでの政府機関との会議だったが、その合間に垣間見たベトナムは・・・。
ベトナム名産のひとつにコーヒーがある。なんでも、2012年現在で世界一のコーヒー輸出国だとか。その主体は、ロブスタ種のコーヒーだ。このロブスタ種は、ブログ記事「コーヒーを飲みながら 熱帯林とコーヒーを考える」や「そのおいしいコーヒーはどこから? -スマトラ島の国立公園調査」でも触れたとおり、渋みや苦みはやや強いが、病害虫に強く、収量も多いことから廉価でもある。
ちなみに、世界のコーヒー輸出国の2位はブラジル、3位はコロンビア、4位がインドネシア、5位がインドだという(国際コーヒー協会2012年報告書)。そして、日本のコーヒー生豆輸入は、ブラジルが断トツで、次にベトナム、インドネシア、コロンビアの順だ(全日本コーヒー協会2012年輸入量データ)。私たちの飲むコーヒーにも、ベトナム産のコーヒー豆が入っているのだろうか。
ハノイの街中には、パリの街角でよく見るようなカフェが多い。それもそのはず、かつては仏領インドシナといわれたとおり、フランスの植民地だったのだ。そのカフェでは、ロブスタ・コーヒーを深めに焙煎して、独特のフィルターで抽出して飲む。カップにはあらかじめコンデンスミルクが入っている。
アルミ製のフィルターはカップ1杯分だけの小さなものだが、コーヒーが完全にカップに落ちるまでには結構な時間がかかる。その間、人々はおしゃべりに花を咲かせる。まさにパリのカフェの様相だが、せっかちの日本人には待ちきれないかもしれない。
そんな街中には、オートバイがあふれている。まだまだ車社会というよりは、オートバイ社会だ。そのライダーが、そろってマスクにサングラス、特に女性は日焼け防止の手甲(手の甲を覆う手袋型)まで付いたフードつき長袖のカラフルなウエアを着ている。マスクも日本と違って、大型でしっかりして、おまけにカラフルだ。まるで“月光仮面”を彷彿させる。
その月光仮面の集団が、信号の変わり目に一斉に動き出す光景は、なかなか圧巻だ。そのシュールな姿を写真に撮ろうと思ってホテルと政府機関の移動の車上から何度も挑戦したが、なかなかうまくは撮れなかった。
会議の政府機関や宿泊したホテルはハノイ市街の西側に位置し、周辺は近代的なビルも多い。しかし旧市街はもちろんのこと、宿泊ホテル周辺でも植民地時代の建物も多く、路地裏では昔ながらの生活が行われている。日曜日ともなると、池には家族連れのスワンボートがあふれる。
急速な経済発展とともに、オートバイで動き回るなど、何となく慌ただしくなってきたであろうハノイの町だ。しかし、まだまだベトナムコーヒーのひと時は、のんびりタイムとして健在だ。政府のお役人さんも、昼休みは1時間半から2時間近くあり、昼食にビールを飲むことも普通だという。
経済援助の仕事で訪れたベトナムだが、逆に疲れ切った日本に、のんびりコーヒーの精神文化を援助してもらいたいものだ。
まずは、のんびりとベトナム式にコーヒーでも淹れてみようか・・・
(ブログ内関連記事)
「最高の人生の楽しみ? ルワック・コーヒー」
「コーヒーを飲みながら 熱帯林とコーヒーを考える」
「そのおいしいコーヒーはどこから? -スマトラ島の国立公園調査」
「アルバニアのんびりカフェ」
「のんびり時間 のんびり空間 -瀬戸内海直島 美術館」
「モンゴルの風に吹かれて」
ベトナム名産のひとつにコーヒーがある。なんでも、2012年現在で世界一のコーヒー輸出国だとか。その主体は、ロブスタ種のコーヒーだ。このロブスタ種は、ブログ記事「コーヒーを飲みながら 熱帯林とコーヒーを考える」や「そのおいしいコーヒーはどこから? -スマトラ島の国立公園調査」でも触れたとおり、渋みや苦みはやや強いが、病害虫に強く、収量も多いことから廉価でもある。
ちなみに、世界のコーヒー輸出国の2位はブラジル、3位はコロンビア、4位がインドネシア、5位がインドだという(国際コーヒー協会2012年報告書)。そして、日本のコーヒー生豆輸入は、ブラジルが断トツで、次にベトナム、インドネシア、コロンビアの順だ(全日本コーヒー協会2012年輸入量データ)。私たちの飲むコーヒーにも、ベトナム産のコーヒー豆が入っているのだろうか。
ハノイの街中には、パリの街角でよく見るようなカフェが多い。それもそのはず、かつては仏領インドシナといわれたとおり、フランスの植民地だったのだ。そのカフェでは、ロブスタ・コーヒーを深めに焙煎して、独特のフィルターで抽出して飲む。カップにはあらかじめコンデンスミルクが入っている。
ベトナム式コーヒー
アルミ製のフィルターはカップ1杯分だけの小さなものだが、コーヒーが完全にカップに落ちるまでには結構な時間がかかる。その間、人々はおしゃべりに花を咲かせる。まさにパリのカフェの様相だが、せっかちの日本人には待ちきれないかもしれない。
そんな街中には、オートバイがあふれている。まだまだ車社会というよりは、オートバイ社会だ。そのライダーが、そろってマスクにサングラス、特に女性は日焼け防止の手甲(手の甲を覆う手袋型)まで付いたフードつき長袖のカラフルなウエアを着ている。マスクも日本と違って、大型でしっかりして、おまけにカラフルだ。まるで“月光仮面”を彷彿させる。
その月光仮面の集団が、信号の変わり目に一斉に動き出す光景は、なかなか圧巻だ。そのシュールな姿を写真に撮ろうと思ってホテルと政府機関の移動の車上から何度も挑戦したが、なかなかうまくは撮れなかった。
会議の政府機関や宿泊したホテルはハノイ市街の西側に位置し、周辺は近代的なビルも多い。しかし旧市街はもちろんのこと、宿泊ホテル周辺でも植民地時代の建物も多く、路地裏では昔ながらの生活が行われている。日曜日ともなると、池には家族連れのスワンボートがあふれる。
ボートであふれる日曜日の池
急速な経済発展とともに、オートバイで動き回るなど、何となく慌ただしくなってきたであろうハノイの町だ。しかし、まだまだベトナムコーヒーのひと時は、のんびりタイムとして健在だ。政府のお役人さんも、昼休みは1時間半から2時間近くあり、昼食にビールを飲むことも普通だという。
経済援助の仕事で訪れたベトナムだが、逆に疲れ切った日本に、のんびりコーヒーの精神文化を援助してもらいたいものだ。
まずは、のんびりとベトナム式にコーヒーでも淹れてみようか・・・
土産に買ったドリップ付粉コーヒー(右)と深煎りコーヒー豆(左)
(ブログ内関連記事)
「最高の人生の楽しみ? ルワック・コーヒー」
「コーヒーを飲みながら 熱帯林とコーヒーを考える」
「そのおいしいコーヒーはどこから? -スマトラ島の国立公園調査」
「アルバニアのんびりカフェ」
「のんびり時間 のんびり空間 -瀬戸内海直島 美術館」
「モンゴルの風に吹かれて」
こんにちは^^
ベトナム社会の一端が見えて面白いです。
コーヒータイムがそんなにゆっくり? セッカチな夫にはむかないですね(^^
昔我家でも手挽きのミルを買ってやりましたが何回使ったか(--;;;
by mimimomo (2013-06-03 14:37)
mimimomoさん、いつもご訪問ありがとうございます。
海外に出かけるたびに、ゆっくりした生活に憧れますが、帰国した途端に諦めます(´_`。)
ベトナムも、このところの経済発展でずいぶん変わるでしょうね。
by staka (2013-06-03 19:32)
珈琲は大好きで日に何杯も飲んでいるのですが、ベトナムやインドが珈琲の産地とは知りませんでした。認識を改めなくてはと思いました。
by Francis (2013-06-07 13:20)
Francisさん、コメントありがとうございます。
私も、コーヒーの原産地がアフリカだということは知っていましたが、今回調べるまで、ベトナムが大輸出国とは知りませんでした。
日常生活でも知らないことがたくさんありますね。
by staka (2013-06-07 16:25)
はじめまして^^
ご来訪ありがとうございました。
ベトナムとコーヒーの産地のイメージが結びついていませんでした。
ゆっくりと時間をかけてコーヒーを淹れ、その間はおしゃべりを楽しむ。
お茶の時間ですね(^^)
私も飲み物に関してはとてもせっかちです。
パッと入れてすぐに飲みたくて・・・(^^;
緑茶も蒸す間、じりじりしちゃうのです。(笑)
コンデンスミルクが入ったベトナム式のコーヒーを、一度味わってみたいです。
by Sizuku (2013-06-07 17:26)
Sizukuさん、コメントありがとうございます。
私ものんびりしているようで、実はせっかちなことを最近ずいぶんと自覚するようになりました(*'-'*)
コーヒーやのんびり時間についての過去ブログ記事、お時間ありましたらご笑覧ください。
by staka (2013-06-07 17:42)
ご訪問&niceありがとうございました。
by ken (2013-06-08 16:44)
つい最近ベトナム珈琲頂きました。
by U3 (2013-06-09 21:26)
ご訪問・nice!ありがとうございました。
by 西湘の風0829 (2013-06-10 07:40)
kenさん、U3さん、西湘の風0829さん、コメントありがとうございます。
U3さん、ベトナム珈琲の味わいはいかがでしたか。
by staka (2013-06-10 08:18)