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雙林寺の七不思議と巨樹 [巨樹・巨木]

法事で、最大山「雙林寺」(群馬県渋川市)にお参りした。

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雙林寺は、1447年に白井城主の長尾景仲によって建てられたというから、570年近くの歴史がある曹洞宗の名刹だ。

江戸時代には徳川将軍家とも縁が深く、将軍が交代する際には雙林寺住職による「城固めの法問」が行われたそうだ。
慶長年間には曹洞宗の僧録職に任ぜられ上野国・信濃国・越後国・佐渡国の総取締として大勢力を誇ったという。

そういえば、総門の屋根やお焼香の香炉にも、徳川家の葵の御紋が付いていた気がする。

総門は閉じているので、右手の門から鐘楼の脇を通り本堂に向かう。

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本堂内部の欄間も、立派な透かし彫りが施されている。

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板襖の襖絵は、残念ながら退色、剥離してしまっている。

開山は大雄山最乗寺第七世の月江正文禅師で、この御縁から現住職の御尊父も現在は最乗寺にお勤めだそうだ。

なお、「最乗寺」は、神奈川県南足柄市にある600年以上の歴史を持つ曹洞宗の古刹で、妙覚道了が祀られていることから「道了尊」とも呼ばれている。

また、世界一といわれる天狗の大下駄もあり、箱根の明神ヶ岳へのハイキングコースの起点として、私も訪れたことがある。

雙林寺にも道了尊の御堂がある。
急な階段を上った先では、天狗と烏天狗の像がお出迎え。

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雙林寺には、「七不思議」が伝えられている。

その一つ、「開山の一つ拍子木」は、寺中で悪いことが起こりそうになると、深夜に一つ拍子木が自然に鳴るという。

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奥の柱上においてあるのが「一つ拍子木」

「山門小僧と総門のツル」は、小僧とツルの争いの結果、小僧には腕がなくなり、ツルの足には穴があいていたという。

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山門(写真上)と仁王像(写真下)

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山門の小僧の彫刻(腕が無い?)

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開かずの総門の内側
上中央の白いのが足に穴の開いているツル


境内の巨樹も、七不思議に数えられている。

「開山のつなぎカヤ」(雙林寺の大カヤ)は、開山の際にカヤの実で作った数珠を蒔いたところ大木になり、その実には針穴があるという。
樹齢約500年、幹周5.2mで、群馬県の天然記念物に指定されている。

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実に穴が開いているかどうか、残念ながら確認するのを忘れていた。

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もう一つの七不思議巨樹は、「雙林寺の千本カシ」だ。
アラカシだが、一株から数十本の支幹が叢生し、これを伐採すると災難が起こるとされる。これも県指定天然記念物だ。

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七不思議ではないが、山門脇の「雙林寺のヒイラギモクセイ」も堂々とした樹勢だ。
こちらは、子持村(現、渋川市)指定の天然記念物だ。

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さすが、かつては上野国と上信越の諸国を勢力範囲とした大寺院だけあって、一カ寺でこれだけ見ごたえがあるのは素晴らしい。

しかし残念ながら、近年では訪れる人も少ない。

観光地化して名刹の雰囲気がなくなるのは困るが、もっと多くの人に知ってもらいたいお寺の一つだ。




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コメント 4

mimimomo

こんばんは^^
stakaさんのところも檀家さんですか。
見事なお寺ですね。大木もさることながらわたくしは
欄間をじっくり見てみたいです。
確かにあまり観光化されると困りますがね、でも
立派なお寺がひっそりしているのもちょっと寂しいですね。
by mimimomo (2016-07-03 21:07) 

トックリヤシ

stakaさんのように見る目を持ち合わせていないと
ただの古いお寺・・・で終わってしまうんでしょうね。。。
by トックリヤシ (2016-07-03 21:28) 

staka

mimimomoさん
私のところではありませんが、妻の実家が檀家です。
欄間のほかにも、写真は掲載しませんでしたが昔の駕籠なども残っていましたね。
by staka (2016-07-03 22:26) 

staka

トックリヤシさん
別に私は見る目を持っているわけではありませんが、やはり昔からのものには関心がありますね。
ただ古いからと言って見向きもされなくなるのは残念ですね。人間もかな・・・(笑
by staka (2016-07-03 22:30) 

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