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新国立競技場完成 その道のり [ちょっとこだわる:民俗・文化・紀行・時事など]

いよいよ2020年の東京オリンピック・パラリンピックのメインスタジアムとなる「新国立競技場」が2019年11月30日に完成した。

第2次世界大戦末期、徴兵が猶予されていた大学生たちが学徒出陣と称して戦場に駆り出された。

新国立競技場の前身となる「明治神宮外苑競技場」で壮行会が開催されたのは、1943年(昭和18年)10月21日の雨天の中だった。

記録映像でしばしば登場するあの場面だ。

私の小学校はこの地域を学区としており、私も子どもの頃には外苑競技場周辺でよく遊んだものだ。

同級生などには、競技場すぐ近くにあったかつての霞ヶ丘兵舎に住んでいるものもいた。
木造2階建ての廊下の両側には部屋が並び、トイレも共同、もちろん風呂などない部屋に一家で住んでいた。

そんな「明治神宮外苑競技場」も、1958年には「国立霞ヶ丘陸上競技場(通称:国立競技場)」として全面的に建て替えられた。

完成後には、第3回アジア大会(1958年)、東京オリンピック(1964年)の会場となり、またサッカー、ラグビーなどの競技会場、さらにはコンサート会場などにも使用された。


競技場周辺の風景も、東京オリンピックに向けての整備により、大きく変わった。

そしてこのたび、来年2020年の東京オリンピック・パラリンピックを迎えるために「新国立競技場」として再度建て替えられたのだ。

この建て替えに際しては、当初はザハ・ハディド氏の設計案が採用されたが、高額の建設費などのために白紙撤回されるなど、話題となったことは記憶に新しい。

その後、隈研吾氏を中心とした設計による木材などを多用した現在の新国立競技場が建設されることになった。

旧国立競技場の写真もあったが、見当たらない(デジタル化していない)ので割愛。
以下は、新国立競技場の建設中の写真の時系列。

2015年8月
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2017年1月
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2017年9月
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2018年2月
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2019年2月
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2019年10月
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かくして新国立競技場は完成し、いよいよオリンピック・パラリンピックの開催を待つまでとなった。

オリンピック・レガシーが叫ばれているが、単に建造物だけではなく、この場が、そして日本自体、いや世界中が、二度と学徒出陣壮行会などというバカげたイベントの会場(そして戦争状態)としない決意を遺産として残したいと祈るものだ。

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