青いケシの花に誘われて [生物多様性]
青いケシの花が咲いているというので、箱根湿生花園に出かけた。
大涌谷の噴気活動警戒の影響か、土曜日というのになんとなく箱根の人出は少ない気がする。
園内に入ると早速、鉢植えの青いケシ(ブルーポピー)がお出迎え。なんと園内には1,000株が鉢や直植えで展示されているという。
ネパールやブータン、チベット、雲南などヒマラヤの標高およそ3000~5000mの高山に産して、何種かあるみたいだ。展示でもピンクなど色変わりもあった。
昨年に訪問したブータンの国花でもある。残念ながら見ることはできなかったけれど。
園内には、青いケシのほか、思いのほか多くの花が咲いていて、それはそれは美しかった。
花の写真もたくさん撮ったが、ほんのいくつかをご紹介。
湿生花園では、毎年、青いケシ展を開催しているが、ケシの花はその都度買い入れているという。
ケシだけではなく、ミズバショウは新潟県からなど、ほとんどの植物を現地から補充しているというから、裏方も大変だ。
ところでつい先日、水族館でのイルカ展示でのニュースがあった。和歌山県太地町で行われているイルカ追い込み漁で捕獲されたイルカを買い入れている施設が会員の日本の動物園水族館協会を国際組織の世界動物園水族館協会が除名すると通告したものだ。
それに対して、日本動物園水族館協会では、追い込み漁のイルカの購入は中止し、国際組織に残留する決定をしたという。
最近では生態展示などのようにずいぶんと改善したが、入手方法だけではなく、見世物になっている動物にも思いやるべきだという動物解放論も提起されている。
植物園でも、同じような問題が起きないとは限らない。かつての大航海時代などには、プラントハンターと呼ばれる人々が、世界中から珍しい野生植物をかき集めてヨーロッパ貴族に売りつけたりしていた。
ヒマラヤ地方から入手されたという青いケシの花を見て感動している自分。野生のものではなく、人工的に繁殖・栽培されたものを入手していると信じたい。
(補注)
植物園や動物園・水族館などで野生生物を展示・繁殖することは、単なる見世物というより、学習上あるいは絶滅危惧生物の保護上も必要なものだ。
生物多様性条約では、自然状態での保護(生息域内保全)とともに、人工的管理下での保全や繁殖(生息域外保全)の必要性が規定されている。
【本ブログ内の関連記事】
「ブータンで出会った花 ブータン報告3」
「生物資源と植民地 -COP10の背景と課題(1)」
「生物資源をめぐる国際攻防 -コロンブスからバイテクまで」
「人間になったオランウータン」
「インドネシアで蚊の絶滅について考える ―生物多様性の倫理学」
【おかげさまで第2刷 好評発売中】
「プラントハンター」や「生物多様性条約」(生息域内保全と生息域外保全を含む)、「動物解放論」、「自然保護の必要性」など、本記事にも関連する内容も豊富。
高橋進著 『生物多様性と保護地域の国際関係 対立から共生へ』 明石書店
生物多様性とは何か。生物多様性保全の必要性、これからの社会を持続するための3つの共生など。
世界は自然保護でなぜ対立するのか。スパイスの大航海時代から遺伝子組換えの現代までを見据えて、生物多様性や保護地域と私たちの生活をわかりやすく解説。
本ブログ記事も多数掲載。豊富な写真は、すべて筆者の撮影。
目次、概要などは、下記↓のブログ記事、あるいはアマゾン、紀伊国屋、丸善その他書店のWEBなどの本書案内をご参照ください。
『生物多様性と保護地域の国際関係 対立から共生へ』出版1
『生物多様性と保護地域の国際関係 対立から共生へ』出版2 ―第Ⅱ部 国立公園・自然保護地域をめぐる国際関係
インドネシアの生物多様性と開発援助 ―『生物多様性と保護地域の国際関係 対立から共生へ』出版3
対立を超えて ―『生物多様性と保護地域の国際関係 対立から共生へ』出版4
大涌谷の噴気活動警戒の影響か、土曜日というのになんとなく箱根の人出は少ない気がする。
園内に入ると早速、鉢植えの青いケシ(ブルーポピー)がお出迎え。なんと園内には1,000株が鉢や直植えで展示されているという。
ネパールやブータン、チベット、雲南などヒマラヤの標高およそ3000~5000mの高山に産して、何種かあるみたいだ。展示でもピンクなど色変わりもあった。
昨年に訪問したブータンの国花でもある。残念ながら見ることはできなかったけれど。
園内には、青いケシのほか、思いのほか多くの花が咲いていて、それはそれは美しかった。
花の写真もたくさん撮ったが、ほんのいくつかをご紹介。
タニウツギ
チョウジソウ
ハマナス
ヒメサユリ
ニッコウキスゲとイブキトラノオ
尾瀬になかなか行けないので、ここでコウホネを
湿生花園では、毎年、青いケシ展を開催しているが、ケシの花はその都度買い入れているという。
ケシだけではなく、ミズバショウは新潟県からなど、ほとんどの植物を現地から補充しているというから、裏方も大変だ。
ところでつい先日、水族館でのイルカ展示でのニュースがあった。和歌山県太地町で行われているイルカ追い込み漁で捕獲されたイルカを買い入れている施設が会員の日本の動物園水族館協会を国際組織の世界動物園水族館協会が除名すると通告したものだ。
それに対して、日本動物園水族館協会では、追い込み漁のイルカの購入は中止し、国際組織に残留する決定をしたという。
最近では生態展示などのようにずいぶんと改善したが、入手方法だけではなく、見世物になっている動物にも思いやるべきだという動物解放論も提起されている。
植物園でも、同じような問題が起きないとは限らない。かつての大航海時代などには、プラントハンターと呼ばれる人々が、世界中から珍しい野生植物をかき集めてヨーロッパ貴族に売りつけたりしていた。
ヒマラヤ地方から入手されたという青いケシの花を見て感動している自分。野生のものではなく、人工的に繁殖・栽培されたものを入手していると信じたい。
(補注)
植物園や動物園・水族館などで野生生物を展示・繁殖することは、単なる見世物というより、学習上あるいは絶滅危惧生物の保護上も必要なものだ。
生物多様性条約では、自然状態での保護(生息域内保全)とともに、人工的管理下での保全や繁殖(生息域外保全)の必要性が規定されている。
【本ブログ内の関連記事】
「ブータンで出会った花 ブータン報告3」
「生物資源と植民地 -COP10の背景と課題(1)」
「生物資源をめぐる国際攻防 -コロンブスからバイテクまで」
「人間になったオランウータン」
「インドネシアで蚊の絶滅について考える ―生物多様性の倫理学」
【おかげさまで第2刷 好評発売中】
「プラントハンター」や「生物多様性条約」(生息域内保全と生息域外保全を含む)、「動物解放論」、「自然保護の必要性」など、本記事にも関連する内容も豊富。
高橋進著 『生物多様性と保護地域の国際関係 対立から共生へ』 明石書店
生物多様性とは何か。生物多様性保全の必要性、これからの社会を持続するための3つの共生など。
世界は自然保護でなぜ対立するのか。スパイスの大航海時代から遺伝子組換えの現代までを見据えて、生物多様性や保護地域と私たちの生活をわかりやすく解説。
本ブログ記事も多数掲載。豊富な写真は、すべて筆者の撮影。
目次、概要などは、下記↓のブログ記事、あるいはアマゾン、紀伊国屋、丸善その他書店のWEBなどの本書案内をご参照ください。
『生物多様性と保護地域の国際関係 対立から共生へ』出版1
『生物多様性と保護地域の国際関係 対立から共生へ』出版2 ―第Ⅱ部 国立公園・自然保護地域をめぐる国際関係
インドネシアの生物多様性と開発援助 ―『生物多様性と保護地域の国際関係 対立から共生へ』出版3
対立を超えて ―『生物多様性と保護地域の国際関係 対立から共生へ』出版4
こんにちは^^
ヒマラヤの青いケシ、背丈が小さくちょっと棘棘の印象ですよね~実物は見たことないですが、写真で見ました^^
実物みたいです。
この背丈の高いのは、東京都の薬用植物園にもありますね。そこで見ました。良いお色ですよね。
イルカのお話わたくしも新聞で見ました。難しい問題ですが、日本を目の敵にしている人がいるのかとつい考えてしまいます。クジラのことなどもね~
by mimimomo (2015-05-24 12:18)
mimimomoさん
イルカにしろ、クジラにしろ、難しい問題ですね。
欧米と日本とでは伝統や考え方もずいぶん違いますし。
でも、世界で相互理解していかなくてはならない課題でもありますよね~ 今の時代ですから。
by staka (2015-05-24 13:34)
こんにちは。
ヒマラヤの青いケシは大阪万博で見ました。(。)カンド-
by yakko (2015-05-24 17:28)
yakkoさん
私も大阪の花博で見て、感動しました。
日本に青いケシが紹介されたのは、その時らしいですね。
by staka (2015-05-24 17:50)
ネパールで、青いケシの花を見に来たと言ってたトレッカーに出会ったことがあります。わたしのなかでは「幻の花」みたいな存在になってました。だけど、日本でも見ることができるんですね。びっくりです。
by smik (2015-05-24 21:34)
smikさん
私もブータンでは青いケシを見ることはできませんでしたが、smikさんもネパールではダメでしたか。
私のなかでは、現地の野生種を見るまでは「幻の花」のままですね。
by staka (2015-05-24 22:47)
青いケシはとても神秘的ですね。なかなか見られないのが一層魅力的です。
by JUNKO (2015-05-25 17:39)
JUNKOさん
やはり見られないところが「幻の花」と言われる所以でしょうか。
それに神秘的な美しさも加味されているのでしょうね。きっと。
by staka (2015-05-25 18:39)
青いケシ(ブルーポピー)」初めて見ました
きれいですね!!
by soujirou-3 (2015-05-27 19:22)
soujirou-3さん
私は青色の花はもともと好きですが、ブルーポピーはまた別格ですね。
by staka (2015-05-28 23:30)
青いケシの花
花びらの色も質感も、とても可憐ですね
ニッコウキスゲの花を見るといつも
庄野英二の「星の牧場」というお話を思い出して
胸が切なくなりマス
by はなだ雲 (2015-06-07 09:13)
はなだ雲さん
ひとそれぞれ想い出の花もありますよね。
ニッコウキスゲで胸が切なくなる理由を知りたくて、「星の牧場」読んでもいいですか(笑)
by staka (2015-06-07 19:06)