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バルト海の小島でワークショップ [ちょっとこだわる:民俗・文化・紀行・時事など]

 バルト海にあるヴィルム島(ドイツ)での「生物多様性条約専門家ワークショップ」に参加しています。生物多様性の保全に向けて、自然保護地域を拡充するためのガイドラインの作成のための会議です。世界の各地域の専門家25人ほどが、3日間缶詰め状態で夜遅くまで議論をしています。日本は、2010年に名古屋で「第10回生物多様性条約締約国会議(COP10)]を開催する予定です。今回の成果は、COP10にも反映されることになっています。

 ここヴィルム島は、ドイツの北、ポーランドとの国境に近いバルト海のリューゲン島の属島のような小島です。リューゲン島は島とは言っても大陸とは水路を隔てているだけで、鉄道も道路も橋で結ばれています。しかし、ヴィルム島は小舟で10分ほどの面積わずか94haの小島。ドイツ連邦自然保護庁の自然保護国際研究所支所がありますが、研修施設があるだけで、一般の民家などは全くありません。

 建物は草葺き屋根で、廊下などの電気も人が近づくと自動的に点灯、消灯をするようになっています。ゴミの分別も4種類。太陽光発電施設もあり、さすが自然保護庁の施設だけに、環境配慮型です。建物周囲の草地には定期的にヒツジが放され、草刈り(?)をしてくれています。ここには、ベルリンからローカル線を乗り継いできました。乳母車や自転車、中には犬を連れて乗り込んでくる人もいました。列車には、そのためのスペースもちゃんと確保されています。

 島は、自然保護区・生物圏保存地域(MAB地域)にもなっています。会議最終日に、やっと島内を散策する時間ができました。小さな島ですから、自然を見ながら歩いても2時間ほどで回ってしまいます。風雪に耐えて特異な風貌のオーク(カシやナラ)の巨木も黄色に色づき、足元には枯れ葉の間にキノコが、海には白鳥やカモの群れが、そしてその先には霧にかすんだ対岸のリューゲン島が。それはそれは、美しい光景でした。会議もない時にのんびりできたら、素晴らしいことでしょう。s-ヴィルム島オーク巨木0116.jpg

 以前の日本熱帯生態学会に出席した際の記事にも書きましたが、今回の会議も出席者はノーネクタイでラフな格好。ファーストネームで呼び合いフレンドリーでした。なにしろ、朝食から、会議、夕食、さらには夜のミーティングと、丸3日以上一緒。それだけに、別れはいつも一抹の寂しさを伴います。

(写真) 黄葉のオーク巨木(ヴィルム島(ドイツ)にて)
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mimimomo

こんにちは^^
何だかこの地球上にそんな島が存在するのですか?と言いたい様な素晴らしい楽園ですね?(^-^
by mimimomo (2013-06-07 14:54) 

staka

mimimomoさん、そうなんです!会議は英語で夜遅くまでのディスカッションと疲れましたが、小島の光景は今から思い出しても夢のようですね。
by staka (2013-06-07 16:31) 

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