震災復興への思いを込めて 被災地での巨木フォーラム [巨樹・巨木]
例年全国各地で開催される夏祭りや秋祭りも、今年はずいぶん様変わりしている。未曽有の被害をもたらした東日本大震災の被災者への哀悼と原発事故による節電とで、自粛・中止となった祭りやイベントも多い。一方で、被災地を勇気づけ復興を支援するために、あえて実施された祭りも多い。
毎年開催されている「巨木を語ろう全国フォーラム」も、そんなイベントの一つだ。震災復興を祈念して、本年10月に被災地でもある茨城県常陸太田市で開催される。巨木フォーラムは、今年度で24回目を数える。昨年5月に徳島県つるぎ町で開催されたフォーラムで、今年度は常陸太田市で開催することが決定され、大会旗も引き継がれた。地元では、「全国巨樹・巨木林の会」会員などが中心になり、開催準備を進めてきた。今年の3月10日には、水戸偕楽園で巨樹観察会もプレイベントとして開催された。その直後に起きたのが、東日本大震災だ。
震災により多くの被害者を出し、その後も余震が続く中、地元では大きなイベントの開催は困難との考えが大勢を占めていた。しかし、町が少しずつ落ち着きを取り戻す中、いつまでも打ちひしがれるのではなく、巨樹のように力強く復興するために、巨木フォーラムを開催しようということになった。
巨木フォーラムは、10月29日(土)午後に常陸太田市民交流センターで開催される。翌日には、4コースの巨樹めぐりツアーも開催される。また、フォーラムに先立って、29日午前中には「全国巨樹・巨木林の会第18回総会」も開催される。詳細は、全国巨樹・巨木林の会ホームページの2011年度巨木フォーラム案内(http://www.kyojyu.com/forum/2011/)を参照されたい。
東日本大震災で被害を受けた方々には、自然に打ち負かされるだけではなく、うまく自然と折り合いをつけてきた先人の遺伝子を受け継ぎ、一刻も早く立ち直り元気になっていただきたいと思う。それに応援するのが、直接的な被害を受けなかった私たちにできることではないだろうか。私たちの生活もこれを機会に、自然を力で支配するのではなく、自然から学び、自然とうまく折り合いを付けた生活に替えていく必要がありそうだ。
多くの方々のフォーラム参加と全国巨樹・巨木林の会への参加をお願いしたい。
(写真) 昨年開催のつるぎ町の巨樹「加茂の大クス」
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