『生物多様性と保護地域の国際関係 対立から共生へ』出版2 ―第Ⅱ部 国立公園・自然保護地域をめぐる国際関係 [保護地域 -国立公園・世界遺産]
先週に引き続き出版案内です。
今回は、第Ⅱ部の「国立公園・自然保護地域をめぐる国際関係」を紹介します。
第Ⅱ部は、生物多様性保全の中心的施策でもある国立公園や世界遺産などの自然保護地域をめぐる話題だ。
名古屋COP10(2010年)で採択された「愛知目標」は、各国に保護地域の拡大を要請しているが、その合意までには先進国と途上国の対立があった。自然保護地域は、広ければ広いほど、指定地域数が多ければ多いほど、自然が保護されるはずだ。そのことについては、誰も反対するはずがないと思うのに、なぜ世界は対立するのだろうか。そもそも、保護地域はどのように誕生したのだろうか。
第5章では、まず保護地域の誕生、そしてその中でも自然の聖地を紹介する。さらに、世界で最初の国立公園イエローストーン国立公園(米国)誕生の秘話、その米国型の国立公園が先住民などを阻害してきたことによる現代の世界対立の遠因にまでさかのぼる。
テレルジ国立公園(モンゴル)の亀岩は、信仰対象にもなっている
一方で、日本の国立公園内には民有地も含まれており、今や世界の潮流ともなっている地域社会との協働管理が古くから行われてきた。世界遺産富士山の入山料問題などを例に、米国型システムとの比較を大道芸型とディズニーランド型としてわかりやすく解説する(第8 章)。
【目 次】
第Ⅰ部 生物多様性をめぐる国際関係
(前回ブログ「『生物多様性と保護地域の国際関係 対立から共生へ』出版1」参照)
第Ⅱ部 国立公園・自然保護地域をめぐる国際関係
第5章 保護地域の誕生と世界的拡張
愛知目標の保護地域面積目標
保護地域拡大でなぜ対立するのか
保護地域の誕生
保護地域と自然の聖地
「米国型国立公園」の誕生秘話
国立公園の世界的拡張と強制退去
保護地域と地域社会の軋轢
第6章 保護地域ガバナンスのパラダイムシフト
統治管理から地域社会重視のガバナンスへ
開発援助による保護と開発の統合
エコツーリズムの誕生
エコツーリズムと地域振興
地域住民による資源利用の容認
地域社会との協働管理
第7章 国立公園の世界会議
世界国立公園会議
国際的な保護地域制度
世界遺産
富士山と世界遺産
保護地域カテゴリーの見直し
保護地域と地域住民・社会との関わり
“もののけ姫”と“アバター”
第8章 日本の国立公園
意外と遅い日本の国立公園の誕生
日本の国立公園は自然保護地域ではない?──自然保護と景観保護
自然環境保全地域の成立
日本型と米国型の国立公園システム比較──大道芸型とディズニーランド型
富士山入山料と米国の国立公園閉鎖──国立公園の利用者負担と利用者規制
日本型は日本の専売特許か
第Ⅲ部 インドネシアの生物多様性保全と国際開発援助 (略)
第Ⅳ部 対立を超えて──生物多様性・保護地域 その新たな役割と期待 (略)
【ブログ内関連記事】の紹介は、↑の目次にリンクを貼りました。
書籍内の写真(↑も含む)は、すべて著者が世界各地で撮影したものです。
『生物多様性と保護地域の国際関係 ―対立から共生へ―』
明石書店より3月25日発行
割引価格でのご提供を、前回記事のコメントに書きました。
今回は、第Ⅱ部の「国立公園・自然保護地域をめぐる国際関係」を紹介します。
第Ⅱ部は、生物多様性保全の中心的施策でもある国立公園や世界遺産などの自然保護地域をめぐる話題だ。
名古屋COP10(2010年)で採択された「愛知目標」は、各国に保護地域の拡大を要請しているが、その合意までには先進国と途上国の対立があった。自然保護地域は、広ければ広いほど、指定地域数が多ければ多いほど、自然が保護されるはずだ。そのことについては、誰も反対するはずがないと思うのに、なぜ世界は対立するのだろうか。そもそも、保護地域はどのように誕生したのだろうか。
第5章では、まず保護地域の誕生、そしてその中でも自然の聖地を紹介する。さらに、世界で最初の国立公園イエローストーン国立公園(米国)誕生の秘話、その米国型の国立公園が先住民などを阻害してきたことによる現代の世界対立の遠因にまでさかのぼる。
テレルジ国立公園(モンゴル)の亀岩は、信仰対象にもなっている
しかし、地域社会との軋轢を生んだ米国型の国立公園システムも、時代とともに住民による自然資源の利用を容認し、地域社会との協働を模索するように変遷してきた。その結果、エコツーリズムも誕生してきた(第6 章)。
これらの変遷を主導したのが10 年に一度開催される「世界国立公園会議」である。世界遺産の制度や地域の紹介など、国際的な保護地域をみてみる。さらに、その保護地域と地域住民とのかかわりの変遷をアニメ映画「もののけ姫」」や「アバター」なども引用しながら考える(第7 章)。
一方で、日本の国立公園内には民有地も含まれており、今や世界の潮流ともなっている地域社会との協働管理が古くから行われてきた。世界遺産富士山の入山料問題などを例に、米国型システムとの比較を大道芸型とディズニーランド型としてわかりやすく解説する(第8 章)。
【目 次】
第Ⅰ部 生物多様性をめぐる国際関係
(前回ブログ「『生物多様性と保護地域の国際関係 対立から共生へ』出版1」参照)
第Ⅱ部 国立公園・自然保護地域をめぐる国際関係
第5章 保護地域の誕生と世界的拡張
愛知目標の保護地域面積目標
保護地域拡大でなぜ対立するのか
保護地域の誕生
保護地域と自然の聖地
「米国型国立公園」の誕生秘話
国立公園の世界的拡張と強制退去
保護地域と地域社会の軋轢
第6章 保護地域ガバナンスのパラダイムシフト
統治管理から地域社会重視のガバナンスへ
開発援助による保護と開発の統合
エコツーリズムの誕生
エコツーリズムと地域振興
地域住民による資源利用の容認
地域社会との協働管理
第7章 国立公園の世界会議
世界国立公園会議
国際的な保護地域制度
世界遺産
富士山と世界遺産
保護地域カテゴリーの見直し
保護地域と地域住民・社会との関わり
“もののけ姫”と“アバター”
第8章 日本の国立公園
意外と遅い日本の国立公園の誕生
日本の国立公園は自然保護地域ではない?──自然保護と景観保護
自然環境保全地域の成立
日本型と米国型の国立公園システム比較──大道芸型とディズニーランド型
富士山入山料と米国の国立公園閉鎖──国立公園の利用者負担と利用者規制
日本型は日本の専売特許か
第Ⅲ部 インドネシアの生物多様性保全と国際開発援助 (略)
第Ⅳ部 対立を超えて──生物多様性・保護地域 その新たな役割と期待 (略)
【ブログ内関連記事】の紹介は、↑の目次にリンクを貼りました。
書籍内の写真(↑も含む)は、すべて著者が世界各地で撮影したものです。
『生物多様性と保護地域の国際関係 ―対立から共生へ―』
明石書店より3月25日発行
割引価格でのご提供を、前回記事のコメントに書きました。
こんばんは^^
メールを出しましたら、わたくしのところに返ってきましたが
どうなってるのでしょう。
by mimimomo (2014-04-27 18:33)
mimimomoさん
メールは届いています。
先ほど、ご返事をお出ししました。
遅くなり、申し訳ありません。
by staka (2014-04-27 18:45)
メールを送ろうとしたら、リモートホストを取得できないそうです。
やっぱり下山してから送らないと仕方ないですかね~。
by hidamari (2014-04-28 08:57)
貴著を入手いたしました。
普段から本を読み慣れていないので
時間をかけてじっくり読み進めていくつもりです。
by トックリヤシ (2014-04-28 10:27)
hidamariさん
お手数をおかけします。
システムに弱いもので、なぜかわかりませんが・・・
by staka (2014-04-28 12:15)
トックリヤシさん
ご購入いただきありがとうございます!!
お読みになってのご感想、疑問など、お寄せいただければ幸いです。
by staka (2014-04-28 12:18)