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インドネシアの生物多様性と開発援助 -『生物多様性と保護地域の国際関係 対立から共生へ』出版3 [保護地域 -国立公園・世界遺産]

 今回も、前回、前々回に引き続き、拙著『生物多様性と保護地域の国際関係 対立から共生へ』の第Ⅲ部のご案内です。

 第Ⅲ部「インドネシアの生物多様性と開発援助」では、インドネシアを主要な舞台として、国際協調のための生物多様性や保護地域の国際開発援助事例を紹介して問題点を考察する。

 第9章では、エコツーリズムなど、生物多様性や保護地域に関するさまざまな国際開発援助と、そのインドネシアにおける事例を考察する。また、インドネシアの生物資源とその保全の舞台ともなったボゴール植物園の物語を紹介する。
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日本のODA(政府開発援助)で整備された動物研究標本館 
JICAインドネシア生物多様性保全プロジェクト
(チビノン・インドネシア)

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インドネシアの代表的な生物資源 チョウジ
これをめぐるヨーロッパ列強の争いが繰り広げられた
(スマトラ島にて)

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トーマス・ラッフルズ夫人オリビアの記念碑
(ボゴール植物園 インドネシア)

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ボゴール植物園に隣接するボゴール宮殿


 第10章では、国際開発援助プロジェクトの成果として、インドネシアの国立公園管理にも地域社会との協働管理が導入されてきたが、その国立公園管理の変遷をみる。さらに、インドネシアの国立公園におけるエコツーリズムの事例を紹介する。
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インドネシアのエコツーリズムでも人気のオランウータン
(グヌン・ルーサー国立公園 スマトラ島)

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ゾウのトレッキングも人気だ
(ワイ・カンバス国立公園 スマトラ島)

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エコツーリズムは地域住民の収入源にもなる
住民によるポーター(リンジャニ山国立公園 ロンボック島)


 そして、グヌン・ハリムン・サラック国立公園、ワイ・カンバス国立公園、南ブキット・バリサン国立公園を国立公園管理の3タイプとして、コーヒー・プランテーション造成のために原生林が違法伐採されるなど、国立公園管理とその課題を考察する。
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地域社会との協働管理の話し合い
(グヌン・ハリムン・サラック国立公園 ジャワ島)

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原生林を伐採しての違法コーヒー・プランテーション
(南ブキット・バリサン国立公園 スマトラ島)

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付加価値の高いルワック・コーヒー
住民の収入を確保して自然保護を図る(スマトラ島)


 さらに、熱帯林での調査研究や国立公園管理の考察から、持続可能なプロジェクト運営による地域社会が主体となった生物多様性や保護地域管理のあり方を探り、新たな国際開発援助の枠組みを提示する(第11 章)。
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JICAプロジェクトで整備されたリサーチ・ステーション
(グヌン・ハリムン・サラック国立公園チカニキ ジャワ島)

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調査手法の技術移転
(グヌン・ハリムン・サラック国立公園にて)

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ジャングルの林冠を調査するためのタワー
(パソ研究林 マレーシア)


【目 次】

第Ⅰ部 生物多様性をめぐる国際関係

(ブログ記事「『生物多様性と保護地域の国際関係 対立から共生へ』出版1」参照)

第Ⅱ部 国立公園・自然保護地域をめぐる国際関係

(ブログ記事「『生物多様性と保護地域の国際関係 対立から共生へ』出版2 ―第Ⅱ部 国立公園・自然保護地域をめぐる国際関係」参照)

第Ⅲ部 インドネシアの生物多様性保全と国際開発援助

第9章 生物多様性の国際開発援助プロジェクト
 国際開発援助と生物多様性
 生物多様性と南北問題
 国際開発援助からみたエコツーリズム
 生物多様性保全のための国際開発援助
 インドネシアの生物資源とその保全
 ボゴール植物園物語
 インドネシアにおける生物多様性援助
 生物多様性プロジェクトの枠組み

第10章 インドネシアの国立公園管理と地域社会
 日本の国立公園を輸出する
 インドネシアの国立公園管理と開発援助
 インドネシアのエコツーリズムと国立公園
 協働型管理への模索──グヌン・ハリムン・サラック国立公園
 ゾウの楽園の背後にあるもの──ワイ・カンバス国立公園
 インスタントコーヒーと最高級のルワックコーヒー──南ブキット・バリサン国立公園
 国立公園管理と地域社会の関係の類型化
 国立公園ガバナンスの課題

第11章 持続可能な運営と連携・協働
 熱帯林での調査研究
 熱帯生態学の研究者とリサーチ・ステーション
 国立公園管理と研究者・地域住民との協働
 プロジェクトにおける連携と持続可能な運営
 生物多様性保全国際開発援助の新たな枠組み

第Ⅳ部 対立を超えて──生物多様性・保護地域 その新たな役割と期待 (略)


【ブログ内関連記事】の紹介は、↑の目次にリンクを貼りました。
書籍内(↑も含む)の写真は、すべて著者が世界各地で撮影してきたものです。

生物多様性カバー (表).JPG『生物多様性と保護地域の国際関係 ―対立から共生へ―』
  明石書店より3月25日発行
 
  割引価格でのご提供を、前々回記事のコメントに書きました。
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コメント 8

旅爺さん

ジャコウネコの糞から採られる未消化の コーヒー豆で入れたのは飲んだことありませんが興味ありです。
by 旅爺さん (2014-05-05 16:15) 

mimimomo

こんばんは^^
一部の二章まで読みました。
面白いですが、難しいです(--
by mimimomo (2014-05-05 17:55) 

staka

旅爺さん
↑の目次「インスタントコーヒーと・・・」のリンク記事「最高の人生の楽しみ?ルワック・コーヒー」にも記したように、味は確かにまろやかな感じがします。

しかし私は、ジャック・ニコルソン演じる金持ち実業家のように大金をはたいてまで飲む気にはなれませんね。
金持ちでないからでしょうかね(笑)
by staka (2014-05-06 11:20) 

staka

mimimomoさん、ご購読ありがとうございます。
やはり難しいですかねェ~

コーヒーも、エビも、紅茶も、そしてインスタントラーメンやスナック菓子の揚げ物用油も、熱帯林伐採によるプランテーションから日本に輸入されていることをご理解いただければと思いますが ・・・・
by staka (2014-05-06 11:24) 

森田惠子

ジャコウネコの糞から取った豆のコーヒーをジャワ島で飲みました。
大感激するほど、私の舌では分かりませんでした。
中華なべのようなもので炒って、豆をひいて、コーヒーを入れて、小さなカップで出てきました。
緑豊かな木々に囲まれて、コーヒーができるのを待っている時間がとても贅沢な時間に思えました。

by 森田惠子 (2014-05-06 17:09) 

staka

森田惠子さんも、ルワックコーヒーの体験者でしたか。
豆の焙煎から経験されたのは素晴らしいですね。
何事も、結果(味)だけでなく、その過程も大事にしたいものですね。
by staka (2014-05-06 22:33) 

hidamari

21日の山開きが済んだら、ゆっくり家に帰りま~す!!
注文、それから!!!
by hidamari (2014-05-14 06:43) 

staka

hidamariさん、もうすぐ山開き、お忙しそうですね。
ご注文ありがとうございます。
ご期待に添えればよいのですが。
by staka (2014-05-14 13:40) 

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