SSブログ

青い海と長い橋 宮古島 その3 [ちょっとこだわる:民俗・文化・紀行・時事など]

宮古島最終回です。

前回の「下地島」の名所「通り池」は、海岸部にある大小二つの円形の池だ。

南側の海に近い池は直径75m、水深45m、北の陸側の池は直径55m、水深25mで、この二つの池は地下が繋がっているらしい。
名前の由来もここからきているという。

繋がっているとはいえ、水深の違いもあり、水色は微妙に異なる。
水深の深い南側の方が美しい。

s-DSC05310.jpg


南西諸島には、サンゴ地形で隆起石灰岩のカルスト地形が多い。
通り池の二つの池は、鍾乳洞が波で浸食されて天井が崩落した陥没ドリーネにより形成された。
通り池は、国の名勝・天然記念物に指定されている。

NHKなどの自然ものドキュメンタリーを見ていると、世界各地で鍾乳洞にポッカリ穴が開た陥没ドリーネからロープで下降して洞窟探検を始めるケイビング映像がよく出てくる。

メキシコのユカタン半島に点在するセノーテが有名だ。

タイの遭難事故もあり、私はケイビングはそれほどやってみたいとは思わないけど。


伊良部大橋のさらに南の長い橋は、「来間大橋」。
宮古島と来間島を結ぶ全長1690mの橋で、1995年3月開通。

渡り切った来間島には、その名も「竜宮城展望台」という展望スポットがあり、青い海に架かる橋の全景を眺めることができる。

s-DSC05146.jpg


宮古島南東端にあるのは「東平安名崎」(ひがしへんなざき)。

先端までの約2㎞の歩道の両側は、太平洋と東シナ海。
切り立った断崖は、以前行ったアイルランドの「モハーの断崖」を彷彿とさせる。

s-DSC05333.jpg


崖上から波間を覗き込むと、何やらブルーの魚が。
そう!夕食に刺身で食べたイラブチャーだ。
崖の上からでも大きく見えるのだから、実際の魚はさぞかし大きいことだろう。

先端までの歩道途中には、絶世の美女「マムヤの墓」といわれる巨岩の洞窟もある。

先端には高さ約24mの「東平安名崎灯台」があり、灯台上からの眺めもすばらしい(入場有料)。

s-DSC05351.jpg


南部には、「うえのドイツ文化村」というテーマパークがある。
ライン川沿いの古城マルクスブルク城を模した博愛記念館などが建設されている。

s-IMG_4883.jpg


宮古島にどうしてドイツのテーマパークがあるのだろう。
1873(明治6)年に、ドイツ船が台風で座礁したのを旧上野村の住民が救助し、帰国にまで助力したという。

ドイツ皇帝ヴィルヘルム1世がこの話に感銘を受け、宮古島とドイツは友好を結び、戦前の修身の教科書でも取り上げられたという。


日本も前述のタイのサッカー少年洞窟遭難をはじめ、世界各地の災害地への救助・援助隊派遣やボランティアの皆さんの協力が続いている。

東日本大震災の時には、そのお礼も兼ねて、世界各国からの援助があった。

世界各国はこうして協力をして、まさに共生しなければならないのに、現実は自国利益優先主義などで対立している。

宮古島のドイツ友好の話も、国の施策ではなく地元の人々の善意からだ。
日中、日韓を含め、政府に任せるのではなく、草の根レベル、民間交流を進めるしかないのだろうか。

いや、各国の為政者にもっと頑張ってもらいたい!!

宮古島の交差点には、優しく見守る「宮古島まもる君」がいる。

s-DSC05356.jpg


世界の見守りまでお願いしたら、過重負担になってしまいますよね~。


【本ブログ関連記事】

ツバメと壁画の大洞窟 ― 国立公園 人と自然(海外編10) ニア国立公園(マレーシア)

アラン諸島の旅


見返りを求める援助 求めない援助

偉大な英国、強大な米国?  ― 英米の選挙に思う一国至上主義の復活と環境問題

朝鮮半島DMZ、北方四島、そして南極 -国際平和公園

対立を超えて -『生物多様性と保護地域の国際関係 対立から共生へ』出版4





nice!(36)  コメント(2) 

nice! 36

コメント 2

トックリヤシ

通り池、2回ほど潜って行き来しましたよ。
池を浮上する時、サーモクライン、ケモクラインが体験できます。
東平安名崎、昔はアガリヘンナザキって言っていたんですよね。東はアガリ、西はイリ、お日様の上り降りですね。

by トックリヤシ (2018-08-12 12:50) 

staka

トックリヤシさん

素晴らしい体験でしたねー
私は一応ダイビングライセンス持ってますが、ペーパーダイバーみたいなもので、ちょっと尻込みです。

沖縄での東西の読み方は聞いたことがあります。
全国的に地名が消えていくなか、字としては残っても、読み方が変わってしまうのは残念です。
by staka (2018-08-12 15:46) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント