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南スマトラ調査 [生物多様性]

 8月初旬から、インドネシアのスマトラ島南部、ランプン州の調査に来ています。(この記事は、インドネシアからの投稿です。)

 スマトラ島はジャワ島の北側ですが、ジャワに比べれば自然が残っています。野生のゾウやトラも生息していていますが、最近では生息地の熱帯林が少なくなり住民とのトラブルも時々起きています。さらにここにきて、熱帯林が急速に消滅しています。その理由は、健康ブームでの動物油脂から植物油脂への切り替え、環境ブームからの化学洗剤から石鹸洗剤などでの植物油脂利用、さらに地球温暖化防止のためのバイオ燃料です。いずれも、そのために利用されるのはヤシ油(パームオイル)で、そのためのプランテーション拡大で熱帯林が伐採されているのです。その多くは日本にも輸入されているのですから、スマトラの自然破壊の一端は、日本人にも責任があるということになります。(このブログの他の記事も参照してください)

 s-ワイカンバス0142.jpgスマトラ最南端のランプン州は、比較的早くから開発されたため、むしろ自然林は少ないのですが、野生のゾウがいるので有名なワイ・カンバス国立公園もこの州にあります。海岸沿いでは、マングローブが破壊されて、エビなどの養殖池にもなっています。地元のランプン大学では、マングローブ・センターを設立して、エコツーリズムなどのプログラムを開発しながら、自然も残しながら地域の発展を進めるための研究を進めています。今回は、ランプン大学と共栄大学との共同研究の最初の現地調査で、全体的な状況把握をしています。

 調査結果などの詳細は、また後日このブログで紹介することにしましょう。お楽しみに。

 (写真) 調教されたゾウに乗って自然林の中を歩くプログラム(ワイ・カンバス国立公園にて)
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mimimomo

日本人の贅沢はとどまる所を知らないですね。
テレビなど見ていても食べる話やその反対に健康志向のCMが多いです。
他所の国の自然を破壊している所まで思いを馳せる人は少ないでしょうね。
by mimimomo (2013-09-04 10:35) 

staka

mimimomoさん、国内だけ、あるいは目先の利益だけ、といった空間的にも時間的にも狭い視野では、見えないものがたくさんありますね。
by staka (2013-09-04 11:35) 

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