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日本一の巨樹の町で全国巨樹・巨木林の会会長に就任 [巨樹・巨木]

 10月10日に、日本一の巨樹のある鹿児島県蒲生町で「第22回巨木を語ろう全国フォーラム」と「第16回全国巨樹・巨木林の会」が開催され、「全国巨樹・巨木林の会」の会長に就任することになった。実は、夏に開催された理事会で会長に選出されていたが、切りのよい総会を終了して引き継ぐことになっていた。私は、環境庁勤務時代の1998年に全国の巨樹・巨木林調査を企画実施し、兵庫県柏原町(現、丹波市)の第1回巨木を語ろう全国フォーラムにもパネリストとして出席した。その後、全国巨樹・巨木林の会の設立もお手伝いした。そんな縁で、いよいよ会長のお鉢が回ってきたというところだ。s-蒲生の大クス1375.jpg

 今回のフォーラムにも、全国の巨樹の写真を撮っている人、絵を描いている人、巨樹巡りを楽しみとしている人など、多くの人々が集まった。皆さん、まるで七夕のように年に1回の再会を楽しみにしている。また、各地には巨樹の保存や観察会などの活動をしている団体も多い。全国の会は、このようなさまざまな巨樹とのかかわりを持つ人たち・団体の集いの場、情報交換の場を提供し、巨樹保護に寄与しようという目的で1994年に設立された。設立に際しては、C.W.ニコル氏、梅原毅氏、岩槻邦男氏、河合雅雄氏、小林達雄氏、谷川健一氏、森ミドリ氏など、各界の著名人や県知事、市町村長など実に多くの方々に賛同いただいた。現在では、約300名の会員を擁するまでになった。会も設立して15年以上、フォーラムは20年以上も続いている。次回は、来年5月に徳島県つるぎ町での開催が予定されている。

 しかし、運営は容易ではない。まずは、専任の事務局がない。現在は、既存の財団法人の職員の片手間で事務を執っていただいている状態だ。情報交換事業が設立目的のひとつだが、そのためには日々の活動が重要である。しかし専任の職員もいないのでは、なかなか思うようにいかない。会誌も発行回数を制限せざるを得ない。会員、団体の拡充も課題だ。なんとか、各地で活動している団体や人たちの協力を得て、全国の会としての存在意義が高まるような活動と運営を心掛けたいと思っている。

 s-十曽エドヒガンザクラ1382.jpg熱心な方たちのなかには、各地の巨樹巡りをしている人たちも多い。私自身は、それほど積極的に巨樹を訪ねることはしてこなかった。それでも、用務地の近くに巨樹があれば、自然と足が向く。見上げるだけで、その大きさに圧倒されることも多い。対峙するだけで、厳かな気分にもなる。そして、悠久の時を経て巨樹がこれまで残ってきたわけを知りたくなる。多くの巨樹が、社寺境内で、人々の信仰の対象となってきたのもうなづける。独特の呼び名や言い伝えも有している。いよいよ枯損などが激しくなったものは、幾度となく樹木医による手当もなされている。そのどれもが、地域の人々との濃密な関わりを示している。地域の人々の関心の外になった巨樹は、衰退に向かう。これからも、地域のシンボルとして、人々の誇りや愛着の対象であり続けてほしい。地域の人々が、自分の郷土に愛着を持ち、誇りを持つようになることが、地域活性化の根本だ。全国巨樹・巨木林の会の活動が、その一助になることを願っている。

 全国巨樹・巨木林の会 http://www.kyojyu.com

 (写真上)日本一の巨樹、蒲生の大クス(鹿児島県蒲生町蒲生八幡神社にて)
 (写真下)日本一のエドヒガンザクラ(鹿児島県伊佐市奥十曽にて)

 (関連ブログ記事)「全国巨樹・巨木林の会と巨樹調査再考」 「自然の営みから学ぶ -人と自然の関係を見つめなおして」 「お天道さまが見ている -公と私の環境倫理」 「プロフィール」 「バルト海の小島でワークショップ
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