ゆったり とろける時間 －再びインドネシアから [日記・雑感]
“のんびり時間”の話題のついでに、再びインドネシアから、のんびり時間について報告。
今回のスマトラでの宿泊は、共同研究のランプン国立大学（ＵＮＩＬＡ）の割引料金で泊まれるというので、フランス系の高級Nホテルにしてみた。海の見える（オーシャンビュー）部屋で、到着した晩は夜景を堪能した。翌朝も、オープンデッキで朝食をとった。リゾート気分で、のんびりとした時間を過ごした。
地域住民と国立公園との関わりについて調査するため、国立公園管理事務所の許可を得なければならない。この手続きにえらく時間がかかる。途中で昼休みやお祈りの時間になって、中断もされる。この間、（国際ローミングは高く、利用できる電波もないので）スマホをいじるわけにもいかず、じっと待つことにした。
このようなことの連続で、せっかくの高級ホテルに戻ったのは夜9時だった。翌日も早朝から出発だ。片道3時間の現地まで往復すること自体が、どだい無理な日程だった。結局その日はホテルまで戻ることができずに、途中の町の安宿（ロスメン）に泊まらざるを得なかった。
シャワーなんて高級なものはなく、水槽に溜めた水を手桶で浴びる。地元ではマンディーというが、火照った体には結構気持ちがよい。スーツケースだけが夜を明かす高級ホテル代はもったいないが、水浴びや蚊に刺されながらの安宿泊も、なかなか味わえない経験だ。暗い部屋での夜は長い。
郷に入れば、郷に従えというが、ほかに手立てはない。こんな時には、腹を据えて紅茶でも飲むことにする。紅茶でもコーヒーでも、とにかく砂糖たっぷりで甘い。日本では砂糖を入れずに飲んでいるので、砂糖抜きを注文することもできるが、こちらではこの甘さが気にならない。暑さで知らないうちに体力も消耗しているのだろう。
時間にルーズなのは、インドネシア人も承知していて、ジャム・カレット（ゴム時間）という。ゴムのように伸び縮み自在の時間のことだ。このルーズさにも、次第に諦めとともに慣れてくる。
体にまとわりつくような空気とゆったりと流れる時間。その中にいると、気持ちまでもがとろけるようだ。外では、子どもたちの元気な声が響いている。
（写真右上） ホテルの朝食（遠望はランプン湾）
（写真左上） 日中から縁台で雑談や昼寝をする人々（スマトラ・ランプン州にて）
（写真右中） インドネシアでも高級品のルアック・コーヒー（コピ・ルアック）（ジャコウネコが食べた糞の中のコーヒーの実から生産する。皿の上が糞.。国立公園集落の地場産業に育成中）（南ブキット・バリサン国立公園隣接集落にて）
（写真左下） 日本では珍しくなった子どもの声がどこでも聞こえる（南ブキット・バリサン国立公園の隣接部落にて）
（写真右下） 遅かった雨季も始まり、ドリアンも道端で売られている（スマトラ・ランプン州にて）
（関連ブログ記事）
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インドネシアでのお仕事の様子、人々の生活、
とても興味深く拝見させていただきました。
日本だけでなく、世界中を仕事の場にしているんですね。
私の行けないいろいろな場所の話、楽しみにしてます。
by hidamari (2012-12-15 11:15)
日本でも、hidamariさんのお好きな山で携帯が使えるようにすべきが議論がありました。
遭難対策にもなるし、アンテナも鉄塔を立てるわけでもなくて山小屋の屋根に付帯するだけで景観上の問題もないとして、結局普及していきました。
せっかくの海外でも、また山奥でも、便利な反面、仕事に追われて、のんびり時間を過ごせない人が多くなったでしょうね。
by staka (2012-12-16 22:46)
大変興味深く読ませていただきました。文化の違いを体験することでものの考え方も色々あることを実感することでしょうね。井の中の蛙の身としては羨ましい限りです。
by JUNKO (2012-12-19 23:39)
JUNKOさん、いつもお立ち寄りいただきありがとうございます。井の中の蛙は大海を知らずといいますが、天の高さは知っているともいいます。見方はいろいろですね。
by staka (2012-12-20 11:21)
こんばんは＾＾
インドネシアは行ったことがないので良く分かりませんが、
概して南方の国は時間がゆったりしているような印象です。
ま、日本くらいきっちり電車だって秒単位で狂いなく動く国は
世界にそうないですからね＾＾
子供たち、邪気がなく可愛いですね～
by mimimomo (2012-12-22 19:17)
mimimomoさん、そうですね、同感です。寒いところでは、ゆっくり歩いていたら凍りついてしまうからでしょうか(*^_^*)
最近の首都ジャカルタでは、こうゆったりとはいきませんね。
by staka (2012-12-22 19:24)