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暁の祭典 浜降祭 [ちょっとこだわる:民俗・文化・紀行・時事など]

海の日の7月18日、神奈川県茅ケ崎市の西浜海岸では「浜降祭」が催された。

神輿を担いで海の中にまで入って禊(みそぎ)を行う祭形態は、海岸部では各地でみることができるが、茅ヶ崎の浜降祭は、別名「暁の祭典」とも称されて、神奈川県無形民俗文化財にも指定(昭和53年)されている盛大な祭だ。

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起源には諸説あるようだが、一般的に伝えられているのは次の説。

時は天保9年(1838年)、相模国一宮の寒川神社の神輿が「国府祭」(大磯町)に参加した帰途、相模川の渡し場での氏子同士の争いで川に落ちて行方不明になってしまった。

その後、南湖(現、茅ヶ崎市南湖)の網元の鈴木孫七が漁の最中に御神体を発見して寒川神社に届け、そのお礼として南湖の浜(西浜)まで寒川神社の神輿が赴いて禊をするようになったのが始まりとか。

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寒川神社の神輿(浜降祭にて)

もっとも、それより以前から地元の鶴嶺八幡宮では、海に入る禊が行われていたともいう。

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鶴嶺八幡宮の神輿(浜降祭にて)

「暁の祭典」ともいわれるように、祭の当日早朝には、寒川神社をはじめ、近隣の神社の神輿が一斉に海岸を目指す。
一番神輿は午前4時ころには海岸に到着するという。

かつては、遠方の神輿は夜中に出発したそうだが、最近は海岸近くまではトラックやバスでやって来る。

海岸沿いの国道134号線は、片側2車線、上下線で4車線の道路だが、この日ばかりは片側2車線はこれらトラックなどの駐車場となる。

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写真↑の車のある奥の車線(海側)は渋滞ではなくて神輿や担ぎ手を運んだトラックなどの駐車場、手前の2車線が対面交通となっている。

地元の南湖地域の上町(琴平神社)、中町(八雲神社)、下町(住吉神社)の各神輿は、各町内から練り歩いて会場入りする。

入場前には、海に入って禊をする神輿も多い。

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午前7時までには、30基以上の神輿が勢揃いする。

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その後、寒川神社の宮司さんたちによる神事が始まる。

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神事が終了すると、神輿は一斉に帰途に就くが、その前に海に入るのもある。

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それぞれの町内会に戻った神輿は、町内を練り歩く。

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この浜降祭、私の子供が小学生の頃は7月15日と決まっていて、地元小学校は午前中は休校だったが、授業時間や担ぎ手の確保などのためもあり、また観光面から多くの見物人を集めるためもあり、1997年(平成9年)から現在のように「海の日」に開催することになった。

小学生たちも心置きなく祭囃子に参加できるが、学校が休みでなくなるのはなんとなく寂しい?!

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小学校の英語教育などで、ますます授業時間が足りなくなるから、祭どころではない?!

(掲載写真のうち、海入り神輿などは、過去の撮影写真を使用)

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コメント 4

mimimomo

おはようございます^^
この茅ヶ崎辺りと言ったらいいのか、お祭りが結構残っていますね。文化の継承は大事だから良いことだと思います。
この時期海に入るのは見ていても楽ですね^^ 冬は見ていても寒い(><;
by mimimomo (2016-07-31 07:47) 

staka

mimimomoさん
そうですね。伝統は守りたいですね。
日にちが変更になるのはやむを得ないでしょうね。
by staka (2016-07-31 08:52) 

セイミー

浜降祭りに地域の神社の御神輿が30基も参加し地域の連帯と
観光名物を覚えます
by セイミー (2016-07-31 09:18) 

staka

セイミーさん
昔からとはいえ、現在まで近隣の30基以上の神輿が集まるとは、やはり伝統の力でしょうね。
開催日も祝日に変更して、観光的にもよかったと思います。
by staka (2016-07-31 10:51) 

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