阿寒湖の巨樹・巨木林 [巨樹・巨木]
いつもご訪問いただき、ありがとうございます。
なかなか更新もできず、また皆様のブログへの訪問もできませんでした。
今回は、北海道阿寒湖畔の巨木林です。
私が会長を仰せつかっている「全国巨樹・巨木林の会」では、毎年「巨木を語ろう全国フォーラム(巨木フォーラム)」を開催している。
今年(2017年)は、9月30日(土)・10月1日(日)に石川県金沢市で開催する。主催は、石川県巨樹の会を中心とする地元の関係団体の皆さんだ。石川県巨樹の会は、全国の会の初代会長 里見信生先生が設立した団体だ。(本ブログ記事「巨樹の番付 -本多静六と里見信生」参照)
ところで、来年度(2018年)のフォーラムは、北海道の阿寒湖で開催することとなった。
先日、開催引き受けのお礼と打ち合わせで、釧路市長さんほか、関係機関、関係者を訪問してきた。
開催地の阿寒湖は、阿寒国立公園(近々、阿寒摩周国立公園に名称変更)の中心地のひとつで、特別天然記念物マリモの生育地としても有名だ。
阿寒湖と雄阿寒岳
この湖の周囲の原生林には、ヒグマ、エゾシカ、キタキツネ、シマフクロウ、クマゲラなどをはじめとする野生鳥獣が生息している。
林道に餌をくわえて出てきたキタキツネ
同時に、湖周囲の原生林は、「前田一歩園」が所有する森林でもある。
前田一歩園の初代園主・前田正名は、鹿児島県(薩摩藩)出身で、明治2~9年の8年間のフランス留学後、大蔵・内務・農商務の各省要職を歴任し、各地で農場経営や山林事業も手掛け、パリ万国では事務館長も務め、後には、釧路でパルプ製紙会社や銀行の設立にも携わった。
これらの功績と造林、自然保護にかける熱意などから、帝室御料地の払い下げも受けた。その払い下げ地は全国各地にあったが、中でも北海道阿寒湖畔の森林は、正名の座右の銘「万事に一歩が大切」から、後に「前田一歩園」と名付けられた。
今は前田一歩園財団となっている前田一歩園事務所
阿寒湖の北岸には、雄阿寒岳山麓の神秘の湖パンケトー、ペンケトー方面へと続く林道があるが、一般車は通行止めとなっている。
北岸の少し標高の高い部分にはミズナラの巨木林が広がる。秋の黄葉は見事だそうだ。
特に名前などは付いていないが、樹齢数百年と推定されるミズナラの巨樹もある。
なかなか更新もできず、また皆様のブログへの訪問もできませんでした。
今回は、北海道阿寒湖畔の巨木林です。
私が会長を仰せつかっている「全国巨樹・巨木林の会」では、毎年「巨木を語ろう全国フォーラム(巨木フォーラム)」を開催している。
今年(2017年)は、9月30日(土)・10月1日(日)に石川県金沢市で開催する。主催は、石川県巨樹の会を中心とする地元の関係団体の皆さんだ。石川県巨樹の会は、全国の会の初代会長 里見信生先生が設立した団体だ。(本ブログ記事「巨樹の番付 -本多静六と里見信生」参照)
ところで、来年度(2018年)のフォーラムは、北海道の阿寒湖で開催することとなった。
先日、開催引き受けのお礼と打ち合わせで、釧路市長さんほか、関係機関、関係者を訪問してきた。
開催地の阿寒湖は、阿寒国立公園(近々、阿寒摩周国立公園に名称変更)の中心地のひとつで、特別天然記念物マリモの生育地としても有名だ。
阿寒湖と雄阿寒岳
この湖の周囲の原生林には、ヒグマ、エゾシカ、キタキツネ、シマフクロウ、クマゲラなどをはじめとする野生鳥獣が生息している。
林道に餌をくわえて出てきたキタキツネ
同時に、湖周囲の原生林は、「前田一歩園」が所有する森林でもある。
前田一歩園の初代園主・前田正名は、鹿児島県(薩摩藩)出身で、明治2~9年の8年間のフランス留学後、大蔵・内務・農商務の各省要職を歴任し、各地で農場経営や山林事業も手掛け、パリ万国では事務館長も務め、後には、釧路でパルプ製紙会社や銀行の設立にも携わった。
これらの功績と造林、自然保護にかける熱意などから、帝室御料地の払い下げも受けた。その払い下げ地は全国各地にあったが、中でも北海道阿寒湖畔の森林は、正名の座右の銘「万事に一歩が大切」から、後に「前田一歩園」と名付けられた。
今は前田一歩園財団となっている前田一歩園事務所
阿寒湖の北岸には、雄阿寒岳山麓の神秘の湖パンケトー、ペンケトー方面へと続く林道があるが、一般車は通行止めとなっている。
北岸の少し標高の高い部分にはミズナラの巨木林が広がる。秋の黄葉は見事だそうだ。
特に名前などは付いていないが、樹齢数百年と推定されるミズナラの巨樹もある。
極寒の地に育つ木々は、本州などと比べて太さにはやや劣るかもしれないが、勝るとも劣らない迫力がある。
パンケトーの碧色の水面
パンケトーから雄阿寒岳
パンケトーから阿寒湖に流出するイベシベツ川の滝
エゾオオサクラソウ
エゾノレイジンソウ
エゾカラマツソウ
ギンリョウソウ
阿寒湖南岸の阿寒湖温泉街裏手には、源泉の白湯山麓に光の森と呼ばれるアカエゾマツやトドマツの針葉樹林が広がる。
その中にあるカツラの巨樹
実は私は、40年ほど前に国立公園管理官として阿寒湖畔に居住していたことがある。
その後、釧路湿原を国立公園にするための検討会設立のために釧路市に出張することになっていたが、ちょうどその時に、前田一歩園三代目園主の前田光子氏の葬儀があり、参列したことがある。
パンケトーの碧色の水面
パンケトーから雄阿寒岳
パンケトーから阿寒湖に流出するイベシベツ川の滝
エゾオオサクラソウ
エゾノレイジンソウ
エゾカラマツソウ
ギンリョウソウ
阿寒湖南岸の阿寒湖温泉街裏手には、源泉の白湯山麓に光の森と呼ばれるアカエゾマツやトドマツの針葉樹林が広がる。
その中にあるカツラの巨樹
実は私は、40年ほど前に国立公園管理官として阿寒湖畔に居住していたことがある。
その後、釧路湿原を国立公園にするための検討会設立のために釧路市に出張することになっていたが、ちょうどその時に、前田一歩園三代目園主の前田光子氏の葬儀があり、参列したことがある。
地元の人から「前田の奥さん」と親しまれた元宝ジェンヌの光子氏には、私も親しくしていただいた。
葬儀では地元の人から、「前田の奥さんに呼ばれたんだ〜」と言われた。
あれからおよそ35年ぶりの阿寒湖訪問だった。
いつか一度は巨木林に囲まれた阿寒湖で巨木フォーラムを開催したいというのが、会長になってからの思いだったが、関係機関・関係者の皆様のご協力で開催の運びとなり大変うれしい限りだ。
古くはアイヌ民族の自然と共に生きる文化によって育まれ、また前田一歩園によって管理されてきた巨木林。
その巨木林は、世界で唯一(アイスランドでは絶滅?)の大型マリモの生育環境を創り出し、またシマフクロウなどの住処を提供してきた。
一方で、増えすぎたエゾシカによる樹皮の食害への対策も課題になっている。
そこには、野生鳥獣と人が織りなす巨木の森の物語がある。
来年のフォーラムが、今から楽しみだ。
【本ブログ内関連記事リンク】
巨木フォーラム in 秩父 ― 秩父夜祭 屋台芝居と囃子でおもてなし
巨樹の番付 -本多静六と里見信生
あれからおよそ35年ぶりの阿寒湖訪問だった。
いつか一度は巨木林に囲まれた阿寒湖で巨木フォーラムを開催したいというのが、会長になってからの思いだったが、関係機関・関係者の皆様のご協力で開催の運びとなり大変うれしい限りだ。
古くはアイヌ民族の自然と共に生きる文化によって育まれ、また前田一歩園によって管理されてきた巨木林。
その巨木林は、世界で唯一(アイスランドでは絶滅?)の大型マリモの生育環境を創り出し、またシマフクロウなどの住処を提供してきた。
一方で、増えすぎたエゾシカによる樹皮の食害への対策も課題になっている。
そこには、野生鳥獣と人が織りなす巨木の森の物語がある。
来年のフォーラムが、今から楽しみだ。
【本ブログ内関連記事リンク】
巨木フォーラム in 秩父 ― 秩父夜祭 屋台芝居と囃子でおもてなし
巨樹の番付 -本多静六と里見信生
2017-07-09 00:06
nice!(38)
コメント(2)
トラックバック(0)
こんばんは^^
出かけていてご訪問が遅くなりました<(__)>
北海道って言うとあまり巨木と言うイメージがわかないですが、自然の中にあるのですかしら。
by mimimomo (2017-07-09 18:06)
mimimomoさん
寒さの厳しい北海道では、樹木の生育も悪いですから、暖地のようなクスノキの巨木もありませんね。それに、開拓の時に原生林の巨木もだいぶ伐採されたようです。
阿寒の地元でも、内地のような巨木がないのにフォーラムが開催できるか、心配していました。
でも、巨木林と人や獣などとの素晴らしい関りを発信してほしいと思います。
by staka (2017-07-09 19:05)