巨樹 その異形から畏敬の間 -石川の巨樹探訪 [巨樹・巨木]
第30回巨木フォーラムの翌日(2017年10月1日)は、恒例の巨樹ツアーに参加した。
ツアーは、市内を徒歩で回るものから、能登半島の1泊まで、5コースが用意されていて、どれも魅力あるものだった。
以下は、私が参加した加賀方面コースの一部をご紹介。
時間がなくて、解説も付記できませんが、とりあえず写真をご覧ください(実際のコースとは順不同)。
このコースには、国指定天然記念物が4件ある。
その一つが、「御仏供スギ」(白山市)。読み方は、〝おぼけすぎ”
遠景は杉の木の森のよう。
樹下に入ると、1本の木から十数本の太い枝に分かれているのがわかる。
その結果、まるで森のように見えるのだ。
樹齢660年余、幹周720㎝、樹高24mの堂々たるものだ。
樹形が仏様にお供えする「おぼくさま」のように見えることから、御仏供スギと呼ばれるようになったとか。
「栢野の大スギ」(加賀市)も国指定天然記念物。
菅原神社の参道の両脇に門のように聳える2本のスギ。
このうち右手の幹周914㎝のスギは、昭和天皇が石川県行幸の際にご覧になったというので、「天覧の大杉」とも呼ばれている。
神社側からは左手になるが、人と比べるとその大きさが際立つ。
もう1本の国指定天然記念物は、「八幡神社の大スギ」(加賀市)。
名前のとおり、八幡神社の入り口にある。
このスギの特徴は、地上からおよそ3mのあたりで3本に分岐していることだ。
帆柱にしようとしたところ、一夜にして三本に分岐したという言い伝えがある。
残る国指定天然記念物は、単木ではなく、樹林だ。
越前加賀国定公園内の石川・福井の県境にある森、「鹿島の森」(加賀市)だ。
かつては北潟湖の島だったというが、今では陸続きになっていて、島内はスダジイやタブなどの森となっている。
この島には、「赤手ガニ」というカニがたくさん生息している。
石川県内には、国指定でなくとも、巨樹は多い。
「十村屋敷跡のスダジイ巨木群」は、加賀市指定天然記念物だ。
加賀藩で砂防造林や農業振興に尽くした鹿野小四郎の居宅跡という一角には、スダジイの巨樹が何本も残っている。
こうした巨樹に対して、人々は昔から畏敬の念をもって接してきた。
全国三千余社といわれる白山神社の総本宮、「白山比咩神社」(白山市)。
白山開山1300年の今年、毎月1日(と15日)の月次祭(つきなみさい)と重なり、多くの参拝客でにぎわっていた。
その杉の参道の最奥には、しめ縄が巻かれた幹周700㎝の杉の巨樹があり、市指定天然記念物に指定されている。
多くの参詣人が、その巨樹の肌に触れて、巨樹から霊気を得ようとしている。
古代から人々は世界中で、巨樹だけではなく、大きな岩など、偉大な自然や異形などに神の存在を感じてきた。いわゆるアニミズムだ。
日本三大霊山(富士山、白山、立山)のひとつ白山山頂には、白山神社の奥宮がある。
白山比咩神社境内には、山頂まで行けない人のために離れたところから白山山頂を拝む遥拝所の「白山奥宮」が祀られている。
大汝峰、御前峰、別山の「白山三山」の形をした巨岩に、多くの人々がお参りして手を合わせていた。
ところで、本日は第48回衆議院議員選挙投票日。
大型台風21号が東海・関東地方に上陸の恐れがある中だが、是非とも投票所に向かってほしい。
最近は投票所も、商業施設などずいぶんと多様化したが、昔は小学校が主体だった。
先の巨樹ツアーの弁当昼食のために立ち寄ったのは、廃校の小学校を利用した「竹の浦館」(加賀市)。
かつて北前船が栄えた頃、船主が寄贈した木造小学校をNPO法人が体験交流施設として運営しているものだ。
玄関わきには、二宮金次郎像があり、講堂には懐かしい肋木(ろくぼく)も!(下の写真の右側窓)
天候も社会情勢も不順の昨今だが、こうなったら昔の人のように巨樹で神頼み!?
【本ブログ内関連記事】
今年は金沢 巨木フォーラム
阿寒湖の巨樹・巨木林
このほか、巨木フォーラム、巨樹ツアーなどの記事は、マイカテゴリーの「巨樹・巨木」をご覧ください。
巨木文化と巨石文化 -巨樹信仰の深淵
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以下は、私が参加した加賀方面コースの一部をご紹介。
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このコースには、国指定天然記念物が4件ある。
その一つが、「御仏供スギ」(白山市)。読み方は、〝おぼけすぎ”
遠景は杉の木の森のよう。
樹下に入ると、1本の木から十数本の太い枝に分かれているのがわかる。
その結果、まるで森のように見えるのだ。
樹齢660年余、幹周720㎝、樹高24mの堂々たるものだ。
樹形が仏様にお供えする「おぼくさま」のように見えることから、御仏供スギと呼ばれるようになったとか。
「栢野の大スギ」(加賀市)も国指定天然記念物。
菅原神社の参道の両脇に門のように聳える2本のスギ。
このうち右手の幹周914㎝のスギは、昭和天皇が石川県行幸の際にご覧になったというので、「天覧の大杉」とも呼ばれている。
神社側からは左手になるが、人と比べるとその大きさが際立つ。
もう1本の国指定天然記念物は、「八幡神社の大スギ」(加賀市)。
名前のとおり、八幡神社の入り口にある。
このスギの特徴は、地上からおよそ3mのあたりで3本に分岐していることだ。
帆柱にしようとしたところ、一夜にして三本に分岐したという言い伝えがある。
残る国指定天然記念物は、単木ではなく、樹林だ。
越前加賀国定公園内の石川・福井の県境にある森、「鹿島の森」(加賀市)だ。
かつては北潟湖の島だったというが、今では陸続きになっていて、島内はスダジイやタブなどの森となっている。
この島には、「赤手ガニ」というカニがたくさん生息している。
石川県内には、国指定でなくとも、巨樹は多い。
「十村屋敷跡のスダジイ巨木群」は、加賀市指定天然記念物だ。
加賀藩で砂防造林や農業振興に尽くした鹿野小四郎の居宅跡という一角には、スダジイの巨樹が何本も残っている。
こうした巨樹に対して、人々は昔から畏敬の念をもって接してきた。
全国三千余社といわれる白山神社の総本宮、「白山比咩神社」(白山市)。
白山開山1300年の今年、毎月1日(と15日)の月次祭(つきなみさい)と重なり、多くの参拝客でにぎわっていた。
その杉の参道の最奥には、しめ縄が巻かれた幹周700㎝の杉の巨樹があり、市指定天然記念物に指定されている。
多くの参詣人が、その巨樹の肌に触れて、巨樹から霊気を得ようとしている。
古代から人々は世界中で、巨樹だけではなく、大きな岩など、偉大な自然や異形などに神の存在を感じてきた。いわゆるアニミズムだ。
日本三大霊山(富士山、白山、立山)のひとつ白山山頂には、白山神社の奥宮がある。
白山比咩神社境内には、山頂まで行けない人のために離れたところから白山山頂を拝む遥拝所の「白山奥宮」が祀られている。
大汝峰、御前峰、別山の「白山三山」の形をした巨岩に、多くの人々がお参りして手を合わせていた。
ところで、本日は第48回衆議院議員選挙投票日。
大型台風21号が東海・関東地方に上陸の恐れがある中だが、是非とも投票所に向かってほしい。
最近は投票所も、商業施設などずいぶんと多様化したが、昔は小学校が主体だった。
先の巨樹ツアーの弁当昼食のために立ち寄ったのは、廃校の小学校を利用した「竹の浦館」(加賀市)。
かつて北前船が栄えた頃、船主が寄贈した木造小学校をNPO法人が体験交流施設として運営しているものだ。
玄関わきには、二宮金次郎像があり、講堂には懐かしい肋木(ろくぼく)も!(下の写真の右側窓)
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このほか、巨木フォーラム、巨樹ツアーなどの記事は、マイカテゴリーの「巨樹・巨木」をご覧ください。
巨木文化と巨石文化 -巨樹信仰の深淵
こんばんは^^
大きいばかりでなく、一風変わった樹木が結構ありますね。
by mimimomo (2017-10-22 18:42)
mimimomoさん
人間もそうですが、樹木も個性があり、それが歳とともに形態(人間なら顔)に現れるようですね。
by staka (2017-10-23 16:18)