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米国政府機関閉鎖と国立公園 [保護地域 -国立公園・世界遺産]

日本では通常国会が始まったが、厚生労働省の不正統計問題にアベノミクス偽装疑惑までが加わり、波紋を呼んでいる。

一方、米国でも共和党と民主党のねじれ議会対決で延期されていたトランプ大統領の2019年一般教書演説が、やっと1週間遅れの2月5日(日本時間6日)に行われた。

演説延期の理由でもあり、議会対立の結果でもある「政府機関の一部閉鎖」は、史上最長1か月以上も続いた。

連邦政府機関の閉鎖は、トランプ大統領与党の共和党と中間選挙で勝利した野党民主党との対立の結果、予算が議会を通過しなかったため、政府職員(役人)に支払う給与がなくなったためだ。

暫定予算により閉鎖は解除されたが、国境警備(メキシコ国境壁建設)を巡る交渉が決裂し、再び政府機関の一部閉鎖の可能性が高まったともいう。

政府職員給与の未払いにより、空港の入管、航空管制、国境警備などを含めた政府職員約80万人が自宅待機や無給業務を強いられたようだ。
自宅待機に追い込まれた機関では、業務を休止するしかなく、閉鎖となったのだ。

この中には、連邦政府の財政支援により入場無料運営をしている首都ワシントンのスミソニアン協会の博物館なども含まれる。

そして、国立公園も閉鎖された。
新聞やテレビニュースなどでは、道路にバリケードが置かれて閉鎖されたデスバレー国立公園の写真が報道された。

(以下は、2002年デスバレー国立公園の様子、国立公園閉鎖時ではありません)

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海抜 海面下85mの干上がった塩湖バッドウォーター
(白いのはすべて塩)

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ビジターセンターの気温計は華氏110度(摂氏43.3度)

博物館や美術館の閉鎖はなんとなくイメージもわくが、なぜ国立公園までもが予算不成立のあおりを受けて閉鎖されるのだろうか。

米国では、国立公園を管理している内務省国立公園局が公園内の土地も所有している(これを「営造物制」という)。

公園管理の仕事範囲は、利用者への指導監督・自然解説などだけではなく、消防から警察業務まで全てが対象だ。

そして、利用者は博物館などと同じように入園料を支払う。

そのため、職員給与未払いにより公園内での業務ができなくなると、博物館などと同様に閉鎖することになる。

一方、日本の国立公園では、国立公園内に民有地も多く、多くの人々が居住し、生活している。
つまり、国立公園を管理している環境省は土地を所有せず(多少は所有地もあるが)、自然保護のための法規制の網を被せている(これを「地域制」という)。

このために、いくら職員給与未払いとなっても勝手に公園を閉鎖するわけにもいかないのだ。

もっとも、日本の場合には政府職員給与未払いとなる前に、与野党は最低限の必要経費を盛り込んだ暫定予算を成立させるだろう。

いや最近では、安倍一強の政府・国会は、強行採決で予算を成立させるかな?

なお、米国の予算不成立による国立公園閉鎖は、2013年オバマ大統領時代にも起きた。
米国の国立公園閉鎖と日本で閉鎖にならない理由など、過去ブログ記事↓もご覧ください。


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