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復興への「道」の起点 八戸 [ちょっとこだわる:民俗・文化・紀行・時事など]

台風19号の犠牲者の皆様のご冥福をお祈りするとともに、被災者の皆様の一刻も早い復興をお祈りします。

このところ、台風や地震などによる激甚災害が頻発しているようにも思える。
激甚災害といえば、何といっても「東日本大震災」を思い起こす。

その復興支援、地域活性化のために環境省が整備したのが「みちのく潮風トレイル」。
青森県八戸市を起点に、福島県相馬市までの約1000kmにおよぶ長距離歩道だ。

今年(2019年)6月に全線開通し、震災被災地でもある太平洋岸の4県28市町村を結んでいる。

起点となる種差海岸と蕪島は、前回ブログ記事の階上町にある階上岳とともに、2013年に震災復興の「三陸復興国立公園」に指定された。

蕪島は、ウミネコの産卵地として有名だ。
島の蕪島神社社殿は、火災のために再建中で、来年3月頃まで島内への立ち入りは禁止されている。

蕪島手前の右手に続く道が、みちのく潮風トレイルだ。
写真では見難いが、右端の歩道沿いにトレイルの起点案内板が設置されている。

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蕪島を含めて、八戸市一帯の海岸を「種差海岸」と呼んでいる。
その中心地「種差天然芝生地」は、JR種差海岸駅からも近く、多くの観光客が訪れる。

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民家風の「種差海岸インフォメーションセンター」は、海岸散策や地場産業の情報提供、休憩場所として賑わっている。

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蕪島から種差天然芝生地までの間には、いくつかの見どころも点在している。
そのひとつ、「鮫角灯台」は、1938年に建造され、日本の灯台50選にも選定されている白亜の美しい灯台だ。

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また、岬に突き出た「葦毛崎展望台」は、石積みの独特の形をしている。
太平洋を一望できる砦のような展望台は、第二次世界大戦中には軍の監視所として使われていたものだという。

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その足元には、ハマナスの花が満開だった。

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本日(10月22日)は、新天皇の即位を内外に宣明する即位礼正殿の儀が行われた。
皇后となった雅子さまのお印も、ハマナスだ。

ハマナスの花は、通常はピンクないし紅紫色だが、ここには白花もあった。

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みちのく潮風トレイルと並行して走る県道1号線の途上には、画家・東山魁夷の代表作「道」のスケッチの場がある。
道路脇には、道標のような形状のその案内板が建っている。


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魁夷自身の画家としての決意と将来への希望を表す、まさに彼の心象風景だ。
遠くへと続く1本の道はまた、敗戦復興に向かう人々の共感をも生んだという。

現在では、道路も拡張・改良され、樹々の様子なども変わってしまったが、やはりこの地に立つと、震災復興などに向かう希望が行く末に感じられる。

令和の新時代、この先の日本、そして世界の歩む先は、どのような道だろうか。


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