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ss やはり気になる評価 『生物多様性を問いなおす』書評と入試問題採用 [日記・雑感]

何につけ他人(周囲)からの評価は、やはり気になるものだ。


私はブログ以外、X(旧Twitter)やFacebookなどのいわゆるSNSはやっていないが、読者の皆さんの中には多くのSNSを駆使している方も多いことだろう。そして、バズることを期待している方も多いことだろう。


私も、「ブログ再開しました!」で書いたように、ブログができるだけ多くの皆さんにご覧いただけることを期待しているのも事実だ。


そして、「生物多様性」ということが一人でも多くの方の目に留まり、関心を持っていただき、理解されることを・・・


誰でも、自分の仕事や振る舞いを評価してほしいし、他人の目も気になるものだ。


私も然り・・・・



『生物多様性を問いなおす』書評


ブログだけではなく、拙著『生物多様性を問いなおす 世界・自然・未来との共生とSDGs』(ちくま新書)の評判(書評)も気になるところだ。




新書‗生物多様性を問いなおす.jpg



出版(2021年1月)からしばらくして、出版社編集者から書評の掲載されている新聞や雑誌のコピーが届いた。


その中に、毎日新聞社が発行するビジネス誌『週刊エコノミスト』(2021年3月12日号)「話題の本」欄の書評もあった。

このことは、本ブログでも「「週刊エコノミスト」の書評に掲載 『生物多様性を問いなおす』(ちくま新書)」としてご紹介したとおりだ。


「・・・多様な生物の存続が不可欠と著者は論ずる。先進国が途上国の生物資源を収奪してきた歴史も詳述している。・・・ディテールがよく調べられていて面白い。」との評でホッと胸を撫で下ろした。


その後も、信濃毎日新聞(2021/2/21付)書評ページの「かばんに一冊」の欄でも取り上げられた。



「・・・遺伝子組み換えなどのバイオテクノロジーに熱帯林の生物資源は欠かせない。生態系における加害と被害の関係は見えにくい。日本で安いエビを食べ、おいしいコーヒーを飲ことが、東南アジアの原生林伐採につながると知ればどきりとする。生物多様性を「地球公共財」と捉えるべきとの本書の提言は、2015年に国連で採択されたSDGS(持続可能な開発目標)の理念とも重なる。」との評だった。


このほか、多くのブログや団体等の機関誌などでも取り上げていただいた。


つい最近(2023年10月27日)も、Alfista NAOさんのブログ記事「【2023年10月】生物多様性がわかる本おすすめ3選+最新情報」で、「生物多様性の名著・ベストセラー本」3冊の中に取り上げていただいた。


東京大学の宮下直先生や生物多様性の世界的権威エドワード・O・ウィルソンのお仲間に入れていただいて身に余る光栄だ。


前述のとおり、XやFacebookはやっていないので全文は不明だが、Alfista NAOさんのご紹介ブログ記事に引用されているのは、


味噌汁王国 (@MisoshiruOhkoku)さん
「タイトルからは地味なものを思わせるが、これはかなり充実した一冊。大航海時代から説き起こし、現在まで。著者自身の研究成果や体験もふまえ、自然との共生を縦横に描く。岩波新書の名著『エビと日本人』的なグローバルな要素もありつつ、・・」
うめめ(@UMmmeee_dokusho)さん
「生物多様性とは何か、国立公園や環境保護の歴史を用いて総合的に解説。生物多様性が人間の「生きる」を支えてるんだな。自然と共生している事実を忘れずにいたい。もののけ姫の解説には納得させられた!今だから読みたい一冊」
ハフポストSDGs (@HuffpostJ_SDGs)さん
「・・・ビジネスパーソンにとってこれからキーワードになるであろう"生物多様性"を学ぶのにオススメの一冊です」


調べて(ググって)みると、ほかにも何人かの方が拙著を紹介・書評してくださっていた。

(ブログ更新もままならないとこぼしていながら、やはり気になってググっていたらあっという間に時間が経ってしまった)


全てを調べ尽くしたわけではないが、感謝を込めて書評記事をいくつか紹介させていただく。




「わかりやすいだけでなくて、政治的な利害や宗教観念が見え隠れする議論の場で「地球のため」という大義を通すことの苦労や葛藤に触れている文体が良かった。」


fukusuke55さんの「本と散歩と・・・」記事「書籍 生物多様性を問いなおす


「私の頭の中にぐるぐる巡っていたパラドクスが本書で整理されました。「解決」とは違う感覚。「気づくことができてよかった」と心から思いました。・・・「日々を大事に生きよう」と、なぜか哲学的な思いに溢れた読書体験でした。」


内野知樹さんの「内野日誌」記事「生物多様性を問いなおす」を読む


「強国が世界中に進出し、略奪し、支配し、それによる現在まで続く対立、国立公園における先住民への非人道的扱いからの復権、ゆたから自然を壊さない共存、人類はどのように自然と関わってきたのか、何をしてしまったのか、共生は可能なのか、などこれまでの歴史とこれからのことを学ぶことができる。」


nakaさんの書評記事


「この本のタイトルを見た瞬間手に取り、購入しました。・・・・人間と自然の共生【相利共生】がSDGs達成に向けて大切であり、生物多様性を問い直すべきだと。」


wsfpq577さんの書評記事


「やや日本史を「自然との共生」に引きつけすぎにもみえるが、エコツーリズム・国際平和公園・持続可能な開発援助などさまざまな論点が紹介され、コスパは高い。」


しのジャッキー(篠崎裕介)さんには、2回の記事で取り上げていただいた。



「これまで自分で調べていたTNFDとかの文脈だと、以下みたいに、グローバルのリスクだよね、という側面からの知識が主でした。一方で、本書から得られた視点は、「高い生物多様性資本を持つ国(なかでも特に発展途上国)」vs「生物多様性の資本を多く持たない国(特に先進国)やグローバル企業」という構図でした。」



「人類もその一員である生物圏全体の進化の可能性を内包した生物基盤の保全無くして人類存続はありえない。これらを統合した第3のアプローチが求められるとして、この全体像を以下のようにまとめられていて、全体が俯瞰でき助かりました。」




「この本のタイトルを見た瞬間に現代の多様性問題が脳裏にフラッシュバックされ、手に取り早く読みたいと購入しました。・・・現在、生物多様性という言葉を良く耳にします。生物多様性を守ることによって、地球の資源や人類のバランスが保たれていると感じています。」


(上記の引用は、各ブログ書評からの一部抜粋)


 皆様、ありがとうございます!!


他にもたくさんの方からブログでご紹介いただいているかと思います。


見落としもあるかと思いますので、ご紹介いただければ幸いです。


多くの方々により好意的な評価をいただくのは、著者としても大変励みになります。



入試問題や課題図書にも採用!


書評だけではなく、大学や公立の図書館の環境関係図書リストにも掲載されていた。


さらに、国崎クリーンセンター「ゆめほたる環境読書感想文コンクール2022」の中学生の部の推奨図書にもなっていた。


それだけではない!


日本体育大学、城西国際大学ほかの大学、茨城県立高校、誠英高校(山口県)ほかの高校など、全国各地の大学、高校、さらに中学校(神戸龍谷中学)までもの2022年と2023年の入学試験の問題文にも採用・出題されていた。

それも、著書内容に関連した生物科や社会科の科目ではなく、国語科の問題というのが驚きだった。


文章を生業とする小説家以外にも、物理学者で随筆家でもあった寺田寅彦のエッセイなどは、国語の教科書や問題文として採用されていることで有名だ。


拙著がそれらの偉人たちと同レベルとは思えないが、実際に出題された入試問題文を手に取って見ると、なんとなく頬が緩む気がするのも事実だ。



書籍概要


拙著『生物多様性を問いなおす 世界・自然・未来との共生とSDGs』(ちくま新書)の目次などは、すでに本ブログで紹介しているのでご覧いただきたい。


題名は「生物多様性」だけれども、自然科学(理科)だけではなく、歴史、地理、政治、経済、社会、倫理、民族など幅広い分野が含まれている。
内容的には、副題の「世界・自然・未来との共生」がテーマでもある。
ついには、自然神や細胞内ウィルスなどにも触れて、コロナ後の共生社会にまで筆が走ってしまった。




願わくば、ご購読いただいて、ご感想などをお寄せいただければ幸いです。



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ss またまた猫の街へ [ちょっとこだわる:民俗・文化・紀行・時事など]

もともと記事更新が遅いところ、3週間ほどの海外出張が入り、またまた更新が滞ってしまった。



滞在先は、マレーシア連邦サラワク州の州都クチン。


サラワクは、世界で3番目に大きな島ボルネオ島にある。


島の南部約3分の2は、カリマンタと呼ばれるインドネシア領だ。北部は、ブルネイを挟んで東側のサバ州と西側のサラワク州がマレーシア連邦領となっている。


サラワク州に入るには、隣国のシンガポールなどから空路で入国する場合にはもちろん入管の手続きが必要だが、同じ国内のクアラルンプール経由(トランジット)で国内便で入る場合にも国外からと同様に入管手続きが必要だ。


サラワク州は、第2次世界大戦下の日本占領時代を経て、1963年のマレーシア連邦結成時に参加してマレーシアの1州となった。

19世紀には、英国人探検家ジェームズ・ブルックが藩王(ラジャ)となり、約100年間にわたるブルック家3代による白人王国が存続した。


そんなこともあり、半島部のマレーシアからの独立意識が強く、連邦加盟後も強力な自治権が認められている。それが今日でも入州に入管手続きが必要な理由かもしれない。


ともあれ、州都クチンは、マレー語(インドネシア語もほぼ類似)で「猫」の意味だ。

その名の由来には諸説あるが、必ずしもネコとの関係があるわけでもなさそうだ。

しかし現在では、市庁舎の1階には「猫博物館」まであり、街中いたるところに猫のモニュメントもある。


猫博物館には昔クチンに来た時に訪れたことがある。猫に関連する絵画や彫刻・置物・人形など、所狭しと陳列されていた記憶がある。

ネットによれば、日本のドラえもんやなめネコも展示されているらしい。

今回は訪問しなかったけど。


猫モニュメントで有名なのは、街中央部のこのモニュメント。クチンのシンボル的な存在?


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ひっきりなしに観光客が記念写真を撮っている。
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ほかにも、上のモニュメントからすぐ近くの交差点にある白猫の像。


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夜景も美しい。緑ネコ?
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食事などで出かけた街はずれにも、さまざまな猫のモニュメントが。

どれも巨大な猫たち!!


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最後に、街中で見かけた生ネコ?


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いたる所で猫の姿を見ることができる街、クチンだった。


【本ブログ内関連記事リンク】
















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ss 白馬岳で白山の高山植物を鑑賞 植物名に付された山岳名 [生物多様性]

白馬岳で高山植物撮影


北アルプスの白馬岳(2932.3m)に登山した。腰痛起因の大腿部痛をおしての登山のため、大雪渓ルートは避けて、比較的容易な栂池から白馬大池のルートをとった。


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白馬岳稜線

 


さすが天然記念物に指定されるほど高山植物で有名なだけあって、数えきれないくらいの花々。


 


お花畑の一部

 


 花だけではなく、ライチョウの親子も。


ライチョウの親子(ちょっと見難い?)


 


頻繁に写真を撮るので、行程はゆっくりだ。


若かりし頃の植物写真撮影は、フィルム代や現像代を気にして、構図や被写界深度など慎重に見極めるため、撮影枚数は少なかった。


しかし今では、デジタルでフィルム代もかからないし、最近ではデジカメも持たずにスマホだけ。あとで構図の修正もできる。シャッターを切る数は圧倒的に多い。


それでも、ついつい昔の癖で、構図などを気にしてしまうことも多いし、撮影枚数も若い人に比べれば少ないのでは。


 


今回はこうしてフィルム代を気にせずに撮影した多くの高山植物の写真から、そのごく一部の「ハクサン」の名を冠した高山植物をご紹介。


その前に、ちょっとご説明・・・・


植物名の分類


かつて私は、約8000種の日本産高等植物(『植物目録』環境庁1987年)名の接頭辞部分を解析・分類したことがある。


その結果は、動植物名、地名、色彩、物品、大小などの形容詞、数字、生育場所など701の接頭辞に分類できた。


その分類の中では、地名に関する接頭辞(227分類、該当する接頭辞が冠された植物1805種)が圧倒的に多く、マツやキクなど植物に関する116分類1165種、オオ(大)やコ(小)、ホソ(細)など形容詞の111分類1912種、イヌやチャボなど動物が59分類337種などと続く。


動物名を冠した高山植物の代表のひとつがコマクサ。花の形状が馬(駒)に似ているからという。今回の白馬岳にも多数が生育。


コマクサ(花の形状が駒)


 


該当種数の多いものは、なんといってもオオ(大)の262種だ(このうち、オオバ(大葉)が付くのが76種)。オオの次には、ヒメ(姫)の256種、エゾ(蝦夷)200種、ミヤマ(深山)165種といった具合だ。


地名に関するものでは上述のとおり、エゾ(蝦夷、該当植物200種)が圧倒的に多く、ツクシ(筑紫、68種)、リュウキュウ(琉球、67種)、ヤク(シマ)(屋久島、66種)など。


白馬岳にも生育するウルップソウは地名の付された植物名で、その由来は千島列島のウルップ島で最初に発見されたからという。


千島列島ウルップ島で発見されたウルップソウ


 


植物名に付く山岳名


山地・山岳名に関する接頭辞は65分類(392種)で、植物種数の多いものをあげると、イブキ(伊吹山、22種)、フジ(富士山、19種、ただし、植物の藤を由来とするものは除く)、ハクサン(白山、18種)、ハコネ(箱根山、16種)、ニッコウ(日光山、15種)などとなる。


山地・山岳名を冠した植物は、必ずしもその山固有(そこだけに生育)というわけではないが、ウルップソウのように最初に発見された場所として付される場合も多い。


 


ちなみに、種数1位の伊吹山は、滋賀県と岐阜県にまたがる標高1377mの日本百名山の山地だ。石灰岩地帯特有の植物も多く、牧野富太郎など多くの植物学者により調査されてきたこともあり、イブキを冠する植物名が多い。


その代表のひとつがイブキトラノオ。白馬岳にも多く生育していた。


これは、動物名のトラ(虎)を冠した植物でもある。トラノオ=虎の尾(2023/08/20追記)


伊吹山の名を冠したイブキトラノオ


 


白山の名を冠した高山植物


白山は、富士山、立山とともに日本三大霊山といわれている。信仰だけでなく高山植物の宝庫でもあり「花の白山」としても有名だ。


先の分類でも、伊吹山、富士山に次いで第3位の18種の植物名にその名が冠されている。


 


(以上の植物名の分類と山岳については、拙著『生物多様性を問いなおす 世界・自然・未来との共生』(ちくま新書)にも記載されているのでご参照を。拙著の内容・書評は、はてなブログ「『生物多様性を問いなおす』書評と入試問題採用」)


 


ということで、やっと本記事の本題「白馬岳で白山の高山植物を鑑賞」する。お待たせしました。


とはいうものの、今回の登山で写真撮影できたものはわずか3種だけ


写真を見直していたら、もう1種発見して追加したので4種。(2023/08/20追記)


羊頭狗肉、期待外れはご容赦を!


 


ハクサンフウロ

ハクサンシャクナゲ


ハクサンコザクラ


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ハクサンイチゲ(2023/08/20追加)


 


おまけで、今回の白馬岳ではないけれどハクサンチドリ


ハクサンチドリ


 


(関連ブログ記事)


「植物名の由来・分類」


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